Subject : アラミド繊維
カテゴリー : 産業・技術 > 材料技術
アラミド繊維
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アラミド繊維には、メタ系とパラ系があります。
メタ系アラミド繊維はポリエステルなどの汎用繊維と同等の強度ながら、熱分解点が500℃前後とすぐれた耐熱性を有します。また、空気中では燃えない自己消火性をもつとともに、熱溶融性がなく、燃焼ガスの毒性も少ないなど、極めて優れた難燃性繊維であり、消防服などに使われています。
パラ系アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維に比べ、強度、弾性率などの力学的性質で優れており、有機繊維(ナイロン、ポリエステルなど)のなかでも、最大の引張強度、弾性率をもっています。耐熱性、寸法安定性などにも優れているため、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材(アスベスト代替)、タイヤや防弾チョッキ、光ファイバーの補強材などに使われています。代表的なアラミド繊維は、ベンゼン環を多く含み、これらをアミド結合で結んだ固い構造の高分子(PPTA:ポリパラフェニレンテレフタルアミド)を原料とした繊維で、ほとんど伸びないため寸法安定性に優れているのが特徴です。さらに、日本で開発したPPTAに第3成分としてジアミンを共重合させた繊維は、紡糸後に延伸することが可能で、耐疲労性、耐薬品性に優れる特徴も有します。これらパラ系アラミド繊維の引張強度は、同一重量でスチールの8倍、ガラスやポリエステル、ナイロンの3倍に相当し、また軽さはスチールの1/5で、これを使用した製品の軽量化にも寄与しています。
パラ系アラミド繊維は日本が世界の約半分のシェアを占めています。
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