Subject : 左心低形成症候群(指定難病211)
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左心低形成症候群(指定難病211)
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左心低形成症候群は、生まれた時の心臓が、僧帽弁、大動脈弁が強く 狭窄 または閉鎖している病気です。その結果、生まれたばかりの赤ちゃんでは、卵円孔(時に心房中隔欠損)という穴を介して左房から右房へ血液が流れていきます。また左房から左室へ血液が流入しないために左室は非常に小さくなって、時には、スリット状に見えるほどです。加えて、左室から大動脈への血液の流れがほとんどなくなるため、上行大動脈(左室から流れ出る血液が通る大動脈)は非常に細くなり、その中を通る血液は、肺動脈と大動脈をつなぐ動脈管を介して肺動脈から大動脈へ流れて逆行してきた血液となります。左心低形成症候群は、構造として僧帽弁の閉鎖または強い狭窄、小さい左心室、大動脈弁の閉鎖または強い狭窄、細い上行大動脈があり、肺動脈から逆行性に流れてきた血液が冠動脈内を還流するということを診断の根拠とします。左心低形成症候群の赤ちゃんには、動脈管開存、卵円孔開存(もしくは心房中隔欠損)が必ず合併しています
- 【原因】
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- 【症状】
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生後まもなくして、顔色が悪くなり(チアノーゼといいます)、呼吸が荒くなり、泣き声も小さくなります。脈も早くなり、低血圧で、ショック状態となります。普通、呼吸管理、血圧維持のための治療を行わなければ、生存は困難となります。
- 【治療法】
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治療法は手術のみです。左心低形成症候群と診断された場合、まずはノーウッド手術を行います。この手術の特徴は、右室からでる肺動脈と細い上行大動脈を束ねて新たな上行大動脈を作ることです。ノーウッド手術は、昔と比べれば成功率は大分よくなりましたが、それでも、先天性心疾患の術式の中では成功率の最も低い部類に入ります。そのため、最近では新生児の時期にノーウッド手術を行うことを避けるために、両側肺動脈絞扼術といって、左右の肺動脈を絞り込む手術を先に行う場合もあります。フォンタン型手術(図2右)を行うためには、幾つかの段階的手術を経なくてはなりません。ノーウッド手術後、数ヶ月から1年前経過してから両方向性グレン手術を行い、1-3歳でフォンタン型手術を行うスケジュールとなります。この手術を行うことで、右室のみで肺動脈、大動脈の循環を維持していくこととなります。
<出典:難病情報センター>
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