Subject   : 圧電素子(ピエゾ素子)

カテゴリー : デバイス > センサ


 圧電素子(ピエゾ素子:Piezoelectric element )
 圧電素子とは、強誘電体の一種で、振動や圧力などの力が加わると電圧が発生し、また逆に電圧が加えられると伸縮する素子のことである。ピエゾ素子と呼ばれることも多い。

圧電素子は、電圧の制御によって微妙に伸縮変化させることが可能であるため、インクジェットプリンタのインク射出機構や、アクチュエータなどのような制御機構においてよく採用されている。アナログ電子回路で発振回路の発振素子として用いられることも多い。
ちなみに、「ピエゾ」とはギリシア語で「圧力を加える」という意味である。 水晶振動子も圧電素子の一種であるが、別扱いにされることが多く、水晶より安価な材質を使ったものを指して圧電素子と呼ぶことが多い。アクチュエータ、センサとしての利用の他、アナログ電子回路における発振回路やフィルタ回路にも用いられている。
圧電体を2枚の電極で挟んだ素子を基本として各種の構造を持つ。用途により、電極に振動板などが取り付けられている。通常、特定の周波数で振動振幅が最も大きくなる。

 ○ モノモルフ
圧電スピーカなどに多い。薄手の圧電素子と金属板を貼り合わせた構造である。圧電素子が面内で伸び縮みすると貼り合わせた金属板の寸法はそのままであるため反りが生ずる。圧電素子に加える電圧により発生する振動や変位を利用する。

 ○ バイモルフ
2枚の圧電素子を貼り合わせた構造。比較的大き目の変位を得る場合に用いる。2枚の圧電素子のそれぞれに差動的な電圧を加えると伸縮方向が反対になるため反りが生ずる。カンチレバー構造にすると先端が変位することを利用して位置決め素子として使用できる。

 ○ 積層型
多数の圧電素子を重ねて棒状にしたもので、厚み方向の変位を利用するもの。 なお、アクチュエータとして説明したが、変位から電圧を得るセンサとしてももちろん使用できる。
 ⇒ 圧電効果と圧電体

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