Subject  : 地球磁場(geomagnetic field、earth's magnetic field)

カテゴリー : 地球科学 


 地球磁場(geomagnetic field、earth's magnetic field)
 地球圏で生成される磁場。

地球磁場の強さを表すのに、以前はガウスやガンマを使っていたが、最近は磁気誘導(magnetic induction)もしくは磁束密度(magnetic flux density)の単位であるテスラ(T)を用いる。
また、微小な変化を示すときはテスラの10-9倍であるナノテスラ(nT)が使われる。

地球磁場には、地表より下に起原をもつ内部磁場(internal field)と地表より高い所に起原をもつ外部磁場(external field)とがある。外部磁場は主に電離層や磁気圏を流れる電流によりつくられ、内部磁場よりも弱く、一般に変化が速いと考えられている。内部磁場は地殻起原の磁場・誘導磁場・核起原の磁場に分けられる。地殻起原の磁場は地震や噴火時のような変化を除くと、大部分は岩石の残留磁化に起因しており、ほとんど時間変化しない。地殻起原の磁場は数nTから1,000nT程度の強さであり、地域によって大きく異なる。誘導磁場は、外部磁場の変動などによって地殻や海で誘導される電流に起因する磁場である。核起原の磁場は流体鉄を主成分とする外核でダイナモ作用によってつくられていると考えられ、時間とともに変化する。この磁場は他起因の磁場と比較すると非常に強く、全地球磁場の9割以上を占めていることから主磁場(main field)と呼ばれる。主磁場は現在地表では約11゜傾いた地芯双極子磁場に近い形をしており、赤道付近では約3万nT、磁極付近では約6万ナノテスラの強さをもつ。マントル起原の磁場は存在しないと考えられている。これはマントルでは構成物質がキュリー点を超えているために残留磁化をもたないことと、運動速度が遅いためにダイナモ作用がないことによる。

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 ⇒ 地球の基礎

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