Subject  : 化石(fossil、organic remains)

カテゴリー : 地球科学 


 化石(fossil、organic remains)
 過去の生物の遺体または遺跡が地層中に埋没・保存されたもの。

化石という語は石化(petrification)に由来するが、石化は化石の必要条件ではない。化石の多くは生物の遺体がそのまま、あるいは鉱物質に置換されて、または印象として残ったもので、これらは遺体化石(remain、Uberrest(Uの頭に¨)、Korperfossil(最初のoの頭に¨))と総称される。古生物の遺跡(生活の産物)が残ったものが生痕化石である。古生物に由来するが、変質して形態的・構造的特徴を残していないもの(例;石油・石炭・リン鉱・褐鉄鉱など)は、ふつう化石から除外する。また化石(fossil)という語は、古生物とは無関係な無機的事象に対して、「過去の」を意味する言葉として転用される場合(例;化石景観、漣痕化石、地磁気の化石など)があるが正しい用法ではない。

化石としては、
(1)古生物の硬い部分が変化されずに残る場合もあり、
(2)鉱物質によってその一部あるいは全部が置換されたものもあり、
(3)古生物の実体は残らず、その印象だけが残る印象化石(impression fossil)もあり、
(4)ツンドラの凍土中に冷蔵されたマンモスや琥珀中の花や昆虫のように軟らかい部分までも完全に保存されたものもある。

● 
過去(地質時代)の生物の遺骸または生物が残した痕跡。遺骸としては、動物の骨格や殻、植物のセルロースなど生物体を構成していた硬組織、またはそれが他の物質に置換されたもの、あるいはその印象が残っているものが多い。ときには、氷漬けになったマンモスゾウやミイラ化した動物のように軟体部もそのまま保存されたものもある。これら生物体が保存されたものを体化石という。痕跡としては、生活活動の跡、例えば足跡・はい跡・かじった跡・巣孔など(これらを生痕化石という)があるほか、動物のふん、下等藻類がマットをつくって生育し、それに堆積物が積もって形成された堆積構造なども、すべて化石として扱われる。有機物も生物の痕跡なので分子化石と呼んで化石に含めることがある。数千年程度のごく最近の過去のものは、ときに半化石(subfossil)と呼んで、もっと古いものと区別することもある。
 ⇒ 地質年代表

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