Subject  : 地層(stratum、bed)

カテゴリー : 地球科学 


 地層(stratum、bed)
 堆積岩の自然の状態における存在のしかたで、厚さに比べ分布のきわめて広い層状の形態を示す。

ある地層は実際に野外に存在するものに対応し、空間的にも時間的にもある限定された広がりを意味する。地層は1枚の単層から厚さ1万mに及ぶ複数の単層の集合まで、その規模にかかわりなくさすのに用いられる。順に重なる一連の単層のあつまりは、岩質の変化や対応する地質現象・地質時代などをもとに、いろいろな単位でまとめられ命名される。なお、溶岩流や凝灰岩などの火山岩類も堆積岩からなる地層にはさまれて存在することから地層として扱うことができる

● 地層の分類
別々の地層は、累層(あるいは層)と呼ばれ、これが地層分類の基本単元となる。層の固有名については、それぞれの層が広く露出していて研究に役立った地域(模式地)の地名から名前がとられ、「○○層」と名づけられる。例えば、カンブリア紀の生物化石が多数良好な状態で保存されていることで有名なバージェス頁岩は、暗い色で厚く、化石を産出する地層が、カナダのロッキー山脈にある、バージェス峠のそばで露出していたことから命名された。

ある層の中で岩相がわずかに違う場合、それらは部層に分けることができ、さらに最小単元となる単層、流堆積物などに細分されることもある。逆にいくつかの累層をまとめて層群と呼ぶことが多く、より大きくまとめて超層群などと言うこともある。これらを最小単元から順に並べると以下のようになる。ただし、最初の3つはどれも単層であるが、溶岩流の層や流堆積物の層は顕著な特徴をもつため特に分けて名づけられることがある。

種類 メモ
単層(Bed) 地層としてはそれ以上区分できない最小単元。
溶岩(Lava) 溶岩流などの単層(最小単元)
流堆積物(Flow Deposit) 火砕流などの堆積物による単層(最小単元)
部層(Member) 層をやや細分したもの
層(Formation) 地層の基本単元。累層とも言う
亜層群(Subgroup) 層群をいくつかの部分に分ける場合に使う
層群(Group) 複数の層を含むまとまり
超層群(Supergroup) 複数の層群を含むまとまり

 ⇒ 地質年代表

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