Subject  : オーロラ(aurora)

カテゴリー : 地球科学 


 オーロラ(aurora)
 地磁気緯度65゜〜70゜付近の極域に現れる超高層大気の発光現象で、名はギリシア神話に登場する暁の女神にちなむ。極光(polar arc)とも。

極域に発生するオーロラは、磁気圏から降り注ぐ電子や陽子によって励起された酸素原子の発する波長557.7nmの緑色の禁制線や窒素原子の427.8nmの青い輝線が一般に卓越している。オーロラの活動が盛んになると、下端に窒素分子の赤色帯スペクトルやその上端に酸素原子の禁制線630.0〜636.4nmが出現する。極域オーロラは一般にディフューズ型、ディスクリートアーク型、脈動型の3種に大別される。ディフューズ型では磁気圏中の波動粒子相互作用の結果、ピッチ角散乱を受けた降下電子および陽子が発光に寄与している。他の二者は、ほとんど入射電子によって発光するが、ディスクリートアーク型のオーロラでは、電離層の上空3,000〜12,000kmの領域に電気二重層と呼ばれる構造が形成され、電子を1〜10keV程度に加速していると考えられている。また脈動型オーロラでは、1〜100keVのエネルギーの高い成分を含む電子が10秒程度の周期で規則的に降下してくるので、ディフューズ型とは別種の磁気圏内部の波動励起に伴うピッチ角散乱が生成機構として考えられている。

極域オーロラの活動は磁気圏サブストームや磁気嵐の発生に伴って活発化する。オーロラにはそのほか、地磁気緯度70゜以上の極冠帯に、フレアーに伴ったエネルギーの高い太陽風陽子が降下して、Hα、Hβや窒素原子391.4nmを発光させる極冠グローオーロラ、大きな磁気嵐が発生した際に地磁気緯度65゜以下に現れる酸素原子の禁制線630.0〜636.4nmが発光する中緯度オーロラがある。中緯度オーロラを発生させる粒子は磁気圏中で加速されたエネルギーの高い陽子であると考えられる。

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 ⇒ 地質年代表
 ⇒ 変成岩(metamorphic rock)

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