Subject  : コンピュータビジョン(image understanding)

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 コンピュータビジョン(image understanding)
 image understanding(画像理解)という用語は、もともとは米国のDARPA(Defence Advanced Research Project Agency)が 1975年に始めた国家的研究プロジェクトの日本語訳である。  画像処理や画像解析が画像データそのものを対象とした情報処理であるのに対し、画像理解は、画像に本来写っている情景を対象として考える。この意味で、コンピュータビジョンという用語と同等の意味で使われることが多い。

 たとえば、滑らかな立体形状を持つ物体に光を当てた画像をTVカメラで撮影したとしよう。エッジ抽出などの処理によりその物体の2次元的な位置を正確に計算する処理は典型的な画像処理である。一方、光の当たり具合によって生じる陰影から、その物体の立体形状を推測する処理が画像理解である。後者の例では、対象の表面の物理的な反射モデルを利用した画像理解アルゴリズムを構築する必要がある。ただし、前者の画像処理が学問として遅れているということではない。現実的な画像応用の分野では、適切な拘束を観測環境に加えることによって、十分な精度と性能を画像処理技術だけで得ることができる。

 複雑な処理を必要とする画像理解の手法は処理速度の点でも不利なことが多く、しかも想定した仮説(たとえば物体表面の材質)が現実問題には当てはまらないことも多い。研究としては盛んな画像理解あるいはコンピュータビジョンであるが、必ずしも現場の画像応用には結び付いていない。

 情景を処理の対象とする以上、その情景に関する何らかのモデルを用いた手法であることが多い。前述の、表面の反射モデル、物体の取り得る形に関する立体形状モデル、要素の配置に関するモデル等、あらゆるものが検討されている。こうしたモデルに基づいた強い拘束を利用するトップダウン型の画像理解システム、あるいは画像データから抽出された特徴を用いてモデルとの照合が行なわれるボトムアップ型の画像理解システム、さらには両者の融合型のシステム等が研究されている。


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