Subject   : 組み込みデータベース(embedded database)

カテゴリー  : 情報産業・技術  


組み込みデータベース(embedded database)
組み込みデータベースとは、携帯電話や産業機器、デジタル家電などに内蔵されるコンピュータシステム(組み込みシステム)での使用を前提として設計されたデータベース制御システム(DBMS)のこと。また、それを用いて実装されたデータベース。

組み込みデータベースはその機器で利用されるデータ(携帯電話であればアドレス帳など)を効率的に管理するために導入され、サーバやパソコンに導入されているものと同じように、SQL言語によるデータの照会・操作やトランザクション処理、ロック(排他制御)、ユーザごとの適切なセキュリティ制御、データの整合性の維持などの機能を提供する。

パソコンやサーバなどで利用される一般のデータベースに比べ、組み込み用途はハードウェアの制約が大きいため、それに適した設計が行われている。限られたメモリ領域で動作するためコードのサイズは最小限(最少で数十kB)に抑えられ、また、メンテナンスを行わなくても継続して動作するような運用設計、高い信頼性などが求められる。産業機器などでは用途によってリアルタイムの応答性が必要となる場合もある。

組み込みデータベースの実装形態は、サーバやパソコンなどと同じように、専門のデータベース制御システム(DBMS)がシステムに常駐してアプリケーションソフトからのデータ照会・操作を受け付けるクライアントサーバ型システムに加え、DBMSの機能をライブラリとしてソフト本体に取り込んでしまう「インプロセス型」が採用されることがある。これは一部の機能を犠牲にしてコードサイズの削減や応答性の向上をはかるもので、記憶容量や性能に関して厳しい要件が要求される組み込み用途に特徴的な実装方式と言える。

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 ⇒ DBMS(DataBase Management System)

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