Subject   : 宝石

カテゴリー  : その他  


 宝石
 代表的な宝石を一覧にしました。

種類 メモ
ダイヤモンド
C
等軸晶系
4月の誕生石。
宝石の代表格はこれでしょう。最も硬い鉱物として知られています。炭素原子のみからなる元素鉱物で、原子がσ結合により連なった結晶構造をしています(C-C-C結合角=109.28°)。屈折率が2.439とずば抜けて高く、ブリリアントカットにより他の追随を許さない輝きを放ちます。同じ炭素原子のみからなるグラファイト(六方晶系)と比較し、結合状態の違いだけで外観、硬さ、等ここまで違うのは驚異的にさえ感じますが、やはりカーボンはカーボン。酸化雰囲気中で1000℃以上で加熱すると燃えてなくなってしまいます。
ルビー
Al2O3
六方晶系
7月の誕生石。
鉱物学的にはコランダム(Corundum)に属します。ダイヤモンドの次に硬い鉱物です。純粋なAl2O3は無色ですが、結晶中に含まれる不純物である3価のクロムにより鮮やかな赤い色になります。複屈折性を示す鉱物です。カンボジアなど、東南アジアで多く産出しています。
サファイア
Al2O3
六方晶系
9月の誕生石。
鉱物学的に見ればルビーと同じコランダムですが、結晶中に鉄やチタンを不純物として含み青色を呈するものはサファイアと呼ばれています。クロムにより赤色を呈するものでも色が淡い場合にはピンクサファイアと呼ばれます。
アメジスト
SiO2
六方晶系
2月の誕生石。
鉱物学的には低温型石英(α-Quartz)です。アメジストは「紫水晶」の名で知られるように、微量の鉄イオンを含むため紫色を呈します。不純物のほとんどない水晶は無色透明です。
トパーズ
Al2SiO4(F,OH)2
斜方晶系
11月の誕生石。
よく知られているのは黄色のもので、他にピンク・トパーズやブルー・トパーズと呼ばれるものもあります。トパーズの発色は、結晶構造中の元素の電子状態で決まるのはもちろんですが、単純に結晶中の不純物元素によって決まるのではなく、その機構はまだ十分には解明されていないそうです。採取時には有色でも、太陽光や蛍光燈に長時間さらしておくと無色になってしまう例もあるそうです。
エメラルド
Be3Al2Si6O18
六方晶系
5月の誕生石。
鉱物学的にはベリル(Beryl)に属します。エメラルドの発色のもとになっているのも、結晶中に含まれるクロムイオンです。同じ三価のクロムを含んでいながら、ルビーは赤、エメラルドは緑、と、まったく違う色になるのは、クロム自体の含有量や、共存する元素の違いによります。見事な緑色を呈するエメラルドは「宝石の女王」ともてはやされています。
アクアマリン
Be3Al2Si6O18
六方晶系
アクアマリンも、エメラルド同様、ベリルに属します。緑色のエメラルドに対し、二価の鉄イオンを含有しているアクアマリンは淡い青色です。他にもベリルの仲間には、三価の鉄を含有し黄色に発色するヘリオドール、マンガンを含有するため赤く発色するレッド・ベリルなどあります。
ガーネット
(アルマンディン)
Fe3Al2(SiO4)3
等軸晶系
1月の誕生石。
ガーネットというのは、A3B2(SiO4)3の組成で表される鉱物群の総称。宝石として用いられているのはほとんどがA=Fe、B=Alのアルマンディン(Almandine)で、ざくろのように濃い赤い色が特徴です。Aの部分はFeのほかにCa、Mg、Mnに、Bの部分はFe、Ti、Cr、V、などの元素に置換し得ます。
オパール
SiO2・nH2O
非晶質
10月の誕生石。
岩石中のさまざまな有色成分が、SiO2を含む熱水の作用で融け、非晶質のまま固化したもの。(溶融状態の岩石は、ゆっくり冷却されると結晶化しますが、急激に冷やされると非晶質になります。)オパールは、虹のような複雑な模様が特徴の宝石です。構造水を含むため、強熱すると脱水してしまいます。
トルコ石
CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O
三斜晶系
12月の誕生石。
鮮やかな青さ、いわゆるターコイズブルーが特徴です。式からも分かるように、トルコ石の青は構造中の銅イオンによる発色です。銅イオンは一部が二価の鉄イオンと置き換わることがありますが、その場合、緑がかった発色となります。
真珠
CaCO3
斜方晶系
6月の誕生石。
貝類の内部に異物が入った時、生態防御反応により、これを核として炭酸カルシウム(アラゴナイト)とタンパク質(コンチオリン)からなる真珠層が生成します。このことを利用して養殖されるのが「真珠」です。アコヤ貝の中に、球状に加工したイシ貝の核を挿入し、海の中で数ヶ月〜1年をかけて真珠層を形成させます。天然の真珠というのもあるのかもしれませんが、宝石として販売されているのはほとんどが養殖真珠です。アラゴナイトの結晶系は、針状や柱状に伸びやすい斜方晶系ですが、真珠層の場合、板状の結晶が幾重にも重なり合って独特の輝きを生み出しています。硬度は低く、3.5〜4という値です。
ペリドット
(Mg,Fe)2SiO4
斜方晶系
8月の誕生石。
ペリドットにもいくつかの種類がありますが、誕生石として用いられるものはMgとSiO2を主成分とするフォルステライト(Forsterite)。鉄やニッケルを含むため、緑色を呈します。
ひすい
NaAlSi2O6
単斜晶系
5月の誕生石。
古代日本社会で最も重宝されていた石。彫刻用材料にもなりますが非常に硬いので細工は相当大変です。結晶中に混入した成分の種類で若干色調が異なり、例えばクロムの混入で緑、チタンで青紫がかった色合いが強くなります。
トルマリン
Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O14(OH)4
六方晶系
最近では10月の誕生石に使われることもあります。
別名「電気石」。誕生石に用いられるのは、淡い赤のピンクトルマリン。中には緑色を呈するものや、2色以上からなる石もあります。トルマリンは硬度が低く傷がつきやすいので、指輪にはあまり向かない石です。
ラピス・ラズリ
3NaAlSiO4・Na2S
等軸晶系
12月の誕生石として使われることもある、美しい群青色が特徴の石です。鉱物名はラズライト(Lazurite)。普通は単独で産出することはなく、方解石や黄鉄鉱と共に存在します。
ジルコン
ZrSiO4
正方晶系
無色透明で屈折率が高いため、ダイヤモンド風のアクセサリーに用いられています。複屈折性を示すので、本物のダイヤとは一味違う輝きがあります。比重はダイヤモンドの3.5に対し、ジルコンは4.7と大きいので本物のダイヤより重く感じるでしょう。
キュービックジルコニア
ZrO2
等軸晶系
等軸晶系の合成ジルコニア。イットリアを添加して構造を安定化してあります。こちらもダイヤモンド風のアクセサリーとして使用されています。

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