適度の緊張は仕事や競技・勉強のうえで十分に力を発揮したり成功したりするために必要であり、 なんら害になることはありません。しかし緊張が大きすぎたり、続きすぎたり、重なりすぎたり すると内臓器官を傷つけ、身体と心を消耗させます。
通常、私たちはストレスがあっても、それに耐えたり、解消したりして生活しています。 ストレスを発散させ心身をリフレッシュさせることは、 ストレスによる病気を防ぐためにも重要です。
しかし、ストレスがたまったり重なったりして、ストレスとうまくつきあえなくなって
しまったら、そして、がまんの限界をこえてしまったらどうなるでしょうか。
ある人は気分がふさぎこんでしまう“うつ病”にかかってしまうこともあります。
うつ病は精神異常ではなく、誰でもがかかる可能性のある神経の働きの病気です。
不安感、緊張、イライラしたり怒りっぽくなる人も多くいます。眠れなくなったり、
途中で目覚めてしまう“不眠”、それに“頭痛”“心悸亢進”“食欲不振”“下痢”
“便秘”など、自律神経の領域に異常が起こる人も多くいます。ストレスの影響で
からだに現れるこれらの症状は“心身症”といいます。この他に自分の世界に
閉じ込もったり、薬物に依存してしまうのもストレスのせいといえるでしょう。
この他、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、肝臓病、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍などの いわゆる成人病も、ストレスが多い人のほうがよくかかっている ことが心身医学的な調査によって確かめられています。
ですから、まさにストレスは心だけではなく、からだにまでおよぶ「万病のもと」
といってよいのです。