Subject  : 狭心症(虚血性心臓病)

カテゴリー: 健康・医療情報 


 狭心症
心臓を栄養する血管(冠動脈といいます)が狭くなるのが狭心症です。 さらに冠動脈がつまったのが心筋梗塞という病気です。
正常な冠動脈では酸素を積んだ赤血球がスムーズに流れています。 ところが血管の壁にコレステロールが沈着し、盛り上がってくると 血管の中が狭くなり(いわゆる動脈硬化といえるものです)、 スムーズな流れが妨げられてきます。ここで運動や興奮などで 脈や血圧が増えると、たくさんの赤血球が心臓に酸素を運ぶ必要があるのに、 狭いところでせきとめられて渋滞が始まり、心臓は酸素不足に陥ります。 これが狭心症です。更にこれが閉塞してしまう(最後は血栓といわれる 血の固まりでつまってしまいます)とその先には全く酸素けが行かなくなり、 心臓の細胞は死に至ります。これが心筋梗塞です。 この冠動脈で血液の流れが滞る病気を虚血性心臓病といいます。
ほとんどの狭心症は胸の痛みで起こります。患者さんによっては”胸がしめつけられる”、”胸がやける”、”胸が抑えつけられる”などの表現をすることもあります。また、時には肩(左が多い)や首のしびれ感、稀には顎や歯の痛みとしておこることもあります。 この様な症状は階段や坂道を上ったときや、お風呂やトイレで力んだときになど一定の労作でおこる場合(労作性狭心症)、じっとしている時や睡眠中などにおこる場合(安静時狭心症)があります。安静時狭心症は日本人には比較的多く、動脈硬化はあまり強くなくても(冠動脈があまり狭くなくても)、血管がけいれんをおこして縮むことが原因で起こると考えられ、発作は夜間や早朝に集中します。

● 狭心症と心筋梗塞の症状
狭心症のもう一つの特徴は発作の持続時間です。一般には数分から15分以内で、多くは5分以内です。また狭心症の特効薬であるニトログリセリンを舌の裏で溶かすと直ちに発作が改善します。
心筋梗塞も狭心症と同じ様な症状ですが、30分以上続き、冷や汗を伴い死の恐怖を感じる程激烈な症状となります。しばしば嘔吐を伴いニトログリセリンでも症状が改善しません。胸の痛みのみならずお腹の痛みでもそうですが、一般に冷や汗を伴うような痛みは重大な病気でおこることが多いのです。直ちに救急車で病院に駆けつけることが必要です。 心臓の細胞をたすけるためには理想的には3時間以内、遅くとも6時間以内には詰まった部分を開かなければなりません。
狭心症や心筋梗塞の症状は、胸の痛みだけではなく、時には奥歯や肩、みぞおちの痛みであらわれることもあります。

 ⇒ 狭心症の治療法
 ⇒ 心筋梗塞とその合併症


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