Subject  : 熱中症

カテゴリー: 健康・医療情報 


 熱中症
高温多湿の環境下に長時間さらされると、体温やイオンバランスに異常をきたし、危険な状態に陥ります。この障害は重症度や発生の仕方から熱痙攣<ねつけいれん>、熱疲労、熱射病の3つに分けられますが、まとめて熱中症とも呼ばれます。

 「熱痙攣」は最も多く見られるもので、熱い所での激しい労働や運動中に主に足から起こる、コムラガエリに代表される筋肉の痛みを伴うけいれんです。

 「熱疲労」は俗に日射病として知られるもので、暑さで血管が拡がる為に起こる低血圧と汗で水分を失う事、即ち脱水が重なって、血管の中を流れる血液の総量が不足し大量出血と同じ様なショック状態に陥るものです。

 「熱射病」は熱中症の中で最も重く、身体の熱の産生が汗等による発散では処理しきれなくなり、蓄積されるためにおこります。そこで、脳の体温調節中枢が正常体温を誤認して汗が止まるなどの悪循環に拍車が掛かり、結果として体温が41度を過ぎることもあります。そのため、血液や筋肉が障害を受け、体の中の多くの部分が働かなくなります。さらに意識障害等の危険に及ぶ事さえあります。死亡者が出ることもあります。

 熱中症に陥ってしまった場合、軽ければ日陰で休ませて冷たい水と少量の塩分を与えればよいのですが、意識障害や頭痛などを訴える場合には救急車を呼び速やかに大きな病院に運びましょう。そこで予防が大切となります。高温環境下での作業や運動の前にはイオン飲料等で水分を補給し、このような場所には長時間居ない様にしましょう。
 尚最近、間違ったダイエット法として水分をとらずにサウナスーツを着て運動したり、熱風を当ててマッサージしたりするものがあります。これらは汗として体内の水分を絞り出す事により、使用後の体重は2〜3キロ減りますが、熱中症を起こし易く、むしろ危険で効果はありません。また、嘔吐を伴う場合には、脂肪を燃焼させるタイプのイオン飲料は避けましょう。
 夏ばて
梅雨が明けると、いきなり真夏がやってきます。 暑いところでの仕事や運動も、汗をかけば気持ち良いものですが、「暑さ」と言う急激な気候の変化に慣れるには、1〜2週間はかかります。十分夏の気候に慣れた人でも、水分や栄養不足、熱帯夜翌日の睡眠不足、疲れ過ぎ、ビールを飲んでの炎天下のゴルフ等は極度に体力を消耗するもので、これらをまとめて「夏ばて」と言います。
この原因は、身体の水分が急激に少なくなり血液が濃縮されて、いわゆる「脱水症状」が起こるために「血液や体液の循環と調節」がうまく行かなくなることです。  症状としては、身体がだるく、めまい、頭痛、発熱、耳鳴り、冷汗、顔面蒼白等が起こりますが、多量の水分が失われますと、脈拍が早くなり、尿の出かたが少なくなり、その色も極端に濃くなります。
 進行した歯周病の患者さんには、同時に頭痛、便秘、不眠などの症状を訴えることが珍しくありません。病気としては糖尿病、貧血、アレルギー性疾患など同時に持っていることが少なくありません。
夏ばてと思われた時は、いきなり冷たい水を飲むより、風通しの良い日陰で横になり、スポーツドリンクか、温かい番茶や麦茶等を飲んだ方がよいでしょう。また少量の塩をなめるのも一つの方法です。食欲がなくてもバランスの良い食事を心がけ、睡眠を十分に取ることが欠かせない。つまり規則正しい生活が、夏バテ撃退の最大の対策です。
 ⇒ 人間に必要な水分量
 ⇒ 夏バテ度チェック

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