Subject  : モヤモヤ病

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 モヤモヤ病
脳動脈造影で、脳底部にモヤモヤした異常血管網がみられる病気です。 10〜15歳以下の若年群と、30歳をピークとした成人群にみられます。
 脳血管写上内頚動脈終末部(脳底部)を中心に正常ではみられないもやもやした異常血管網を認め、内頸動脈の終末部や前・中大脳動脈起始部に閉塞や狭窄または閉塞像がみられる疾患、日本人に多い。
 家族内発生(同胞発生)、先天性素因、多因子遺伝が考えられ、成人例では、脳出血・クモ膜下出血での発症、小児例では片麻痺、知覚障害、不随意運動、頭痛、痙攣発作での発症が多い。(脳虚血症状で発症することが多い。)

 【診断】
 診断上脳血管撮影は必須で、前・中大脳動脈,後大脳の造影不良、脳底部の異常血管網(モヤモヤ像)を認めます。これらの所見は両側性にみられます。
 本症の病理所見では、内頚動脈終末部肥厚と内腔狭窄、両側閉塞があります。前・中大脳動脈、後交通動脈などウイリス動脈輪を構成する動脈にも同様の所見があり、ウイリス動脈輪閉塞症の呼称もあります。またウイリス動脈輪を中心に多数の小血管(穿通枝,吻合枝)があります。さらに軟膜内に小血管の網状集合がみられます。
 本症の診断には脳血管写が必須で、内頚動脈終末部の狭窄、閉塞と脳底部異常血管網の存在が決め手となります。したがって成人例では頭蓋内出血症状、小児例では反復性脳乏血症状(痙攣,片麻痺,知覚障害,不随意運動など)発作をみます。脳血管写実施によって診断が確定します。本症は原因不明で、特別の基礎疾患はみられません。経過は反復発作をみるもの、一過性のもののほか多くは固定神経症状を呈するものがあり、長期20〜30年にわたるものがあります。

 【治療法】
 原因は不明で根本的治療法もありません。側副血行を増大させるために浅側頭動脈・中大動脈吻合術やencephalomyosynangiosisが試みられています。
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