Subject  : 貧血

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 貧血
貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビン(血色素)の量が基準値より低い状態をいいます。、赤血球中のヘモグロビン量が少なくなると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分に供給されないと、貧血の症状が現れます。貧血の原因はさまざまですが、大きく分けると、失血(大量出血)、赤血球の産生不足、赤血球の過剰な破壊の3つに分類できます。

男性より女性に多いといわれますが、女性は、もともと細胞に酸素を運搬するヘモグロビンが少ないために貧血になりやすいのです。そのうえ、女性は月経による出血、妊娠や出産後の授乳で鉄が失われてしまいます。そのほかにも、子宮筋腫(しゅ)や子宮内膜症などの不正出血でも貧血を招く可能性があります。
貧血にはいくつかの種類がありますが、一番多いのが 鉄欠乏性貧血です。 鉄はほかのミネラルに比べてとても吸収率が低い(約8%前後)ことから、 無理なダイエットや極端な偏食などをしているとどうしても欠乏しやすい といえます。

エネルギーはブドウ糖と酸素が細胞の中で燃焼することでつくられます。酸素を全身の細胞に運ぶのが赤血球中のヘモグロビンですが、その構成成分が鉄です。食事からの鉄の補給が不足するとヘモグロビンの合成ができなくなって鉄欠乏性貧血を起こしやすくなるのです。

鉄欠乏性貧血に特徴的な症状には、まぶたの裏や口の中の粘膜、唇、爪が 白っぽくなったり、顔色が青白くなるなどがありますが、症状には個人差が あり必ずこうした症状が現れるとは限りません。 貧血であることに気づかないままに放置していると、全身の倦怠[けんたい] 感や寒くもないのに寒気がしたり、階段を上るときなどに動悸や息切れをしやすくなるなどの症状が出てきます。さらに進んでしまうと、めまいや頭痛、耳鳴り、吐き気、胃のむかつき、食欲不振などの症状が現れたり、場合によっては胸痛や呼吸困難などに陥ることもあります。
鉄欠乏性貧血の人は食事から積極的に鉄を摂取するようにしましょう。外食が多かったり、好き嫌いの激しい人は、鉄剤で補給するようにするとよいでしょう。また、鉄がヘモグロビンの成分として利用されるときには銅が必要不可欠です。鉄は吸収率の極端に低いミネラルですが、ビタミンCやニッケルは腸からの鉄の吸収を助けてくれます。また、ビタミンCはヘモグロビンの合成にもかかわっています。カルシウムも鉄の代謝に関係しているといわれ、鉄欠乏性貧血の改善に働いています。クロロフィル(葉緑素)には、細胞に酸素を運ぶ働きがあるといわれています。そのほか蛋白質など栄養不足によっても起こってきます。

第二は巨大な赤血球が見られる巨赤芽球性貧血と言われる 貧血症です。
食生活と深くかかわっているのが巨赤芽球性貧血(悪性貧血)です。この貧血は、赤血球が正常に成熟できないことで起こりますが、極端に栄養バランスが偏った食生活を続けている人や、老化などで胃粘膜が萎(い)縮してしまった人、胃の手術をした人が赤血球がつくられるときに働く ビタミンB12葉酸の 不足に陥って起こります。一般的な貧血の症状に加えて、手足のしびれ、舌の炎症や痛みなどの症状が現れます。
巨赤芽球性貧血を予防するには、ビタミンB12と葉酸の補給が不可欠です。また、コバルトはビタミンB12の構成成分として造血に働きます。さらに、エリスロポエチンという牛乳などに含まれる糖たんぱく質には赤血球数を増加させる作用があることがわかっています。 葉酸の不足は、妊娠、腸の病気や抗けいれん剤の服用、寄生虫病や肝臓病、低栄養状態などで起こってきます。

第三は溶血性貧血といわれる貧血症です。 これは、先天性と後天性に分けられます。
ビタミンEには、赤血球の細胞膜を構成する不飽和脂肪酸を活性酸素による酸化から守る働きがあり、溶血性貧血を防ぐといわれています。溶血性貧血とは赤血球が破壊され、その分を補えないために起こる貧血ですが、頻度はあまり高くありません。

第四は再生不良性貧血です。骨髄での赤血球を作る機能が衰えて起こりますが、その原因が不明なことが多いのです。

第五は続発性と言われる貧血です。これはいろいろな急性疾患や慢性疾患による出血、あるいはがんや白血病など元の疾患があって起こる貧血です。
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