Subject : 慢性甲状腺炎(橋本病)
カテゴリー: 健康・医療情報 > 自己免疫疾患
慢性甲状腺炎(橋本病)
-
甲状腺は、重さが15グラムから20グラムほどの小さな臓器です。のど仏の少し下に、丁度、蝶々が羽根を開いたような形でしっかり止まっています。
この甲状腺の働きが低下する、甲状腺の病気の中で最も多いのが慢性甲状腺炎で、橋本病とも言います。(甲状腺機能低下症)
本来、自分の体や臓器などに対する抗体は作られないのですが(これを免疫寛容といいます)、何らかの理由でこの免疫寛容が破綻し、甲状腺に対する自己抗体(抗甲状腺抗体)が作られるようになると、甲状腺が正常に機能しなくなることがあります。慢性甲状腺炎は、甲状腺の機能低下を招く自己抗体が生じた状態です。
血液中に甲状腺に対する自己抗体が存在するため、甲状腺が正常に機能できなくなり、新陳代謝を司る甲状腺ホルモンの分泌が損なわれ、様々な症状が出てきます。一般に、自己免疫疾患は女性に多いものが大部分ですが、慢性甲状腺炎も女性に多い病気です。
- 【症状】
-
ゆううつ、イライラ、不安、眠れない、頭痛、めまい、疲れやすい、寒がり、肌荒れ、顔や手足のむくみた、眉毛が薄くなったなどがあります。
慢性甲状腺炎の診断は、甲状腺ホルモンを測ったり、超音波やアイソトープを使った検査などを参考に、患者さんの訴えや症状の経過を総合して決めます。
甲状腺の働きが低下してくると、脳下垂体から甲状腺を刺激するホルモンが分泌され、甲状腺を働かせます。その結果、甲状腺が大きく腫れるのが普通です。ところが、甲状腺の腫れが目立たないで、先ほどお話ししたようないろんな症状を訴える場合は、うつ病、更年期障害、自律神経失調症などと間違えられ、見逃されることも多いのです。特に高齢者の場合は甲状腺の腫れが目立たないので要注意です。
慢性甲状腺炎は、精神的ストレス、出産、手術、感染症などをきっかけに発病します。
- 【治療】
-
甲状腺機能が低下していれば甲状腺ホルモンの服用が必要です。甲状腺機能検査の値が正常でも、甲状腺が腫れ、疲れやすい、寒がり、頭痛など先ほど言ったいろんな訴えや症状がある場合は、この甲状腺ホルモン剤を少し服用するだけで、驚くほどいろいろな症状がとれていきます。
ホルモン剤といっても、副腎ホルモンや性ホルモンと違い、副作用はほとんどありません。
⇒
甲状腺の病気
[メニューへ戻る]
[カテゴリー一覧]
[HOMEへ戻る]