Subject  : PET(ポジトロンCT検査)

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 PET(ポジトロンCT検査)
PETとは、ポジトロンCT(陽電子放射断層撮影)検査のことです。
PET検査はFDGと呼ばれるブドウ糖によく似た物質を利用して行われています。癌の多くは、ブドウ糖をたくさん取り込む性質があるため、FDGを投与するとブドウ糖の代わりにそれが癌に取り込まれます。癌に取り込まれた場所を画像にして診断するのがPET検査です。ですから検査の時は、FDGが癌に取り込み易くなるようにブドウ糖が体の中に少ない状態、すなわち空腹時に行うことになります。PET検査は従来のCT、MRIの画像検査では判断しにくい癌を見つけだすことができます。また1回の検査で全身を調べることができるため、検診目的、癌の転移や再発チェックなどに広く利用されています。
ブドウ糖の代謝が乱れた糖尿病の人では正確な結果がでないことがあります。また1cm以下の小さな病変、ブドウ糖を取り込みにくい肝癌やはっきりとした影のでない肝癌では異常を指摘できないことがあります。さらに脳、筋肉、消化管など異常がなくてもFDGが集まりやすい場所にできた腫瘍は診断困難なことがあります。実際、消化管の癌の代表である胃癌は進行癌でもわかりにくいことがあります。またFDGは尿として体外にでていきますが、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱の腫瘍はわかりにくくなります。

ポジトロンCT(陽電子放射断層撮影:PET)検査では、心臓の細胞が機能するのに必要な酸素、糖などの物質にポジトロン(プラスの電荷をもつ電子)を放出する放射性物質をつけます。この栄養素を静脈内に注射すると、数分で心臓に到達します。PET検査は、心筋のさまざまな領域にどのくらいの量の血液が供給され、さまざまな物質の代謝がどの程度行われているかを明らかにするために行われます。たとえば、放射性物質をつけた糖を注射すると、正常な領域よりも多くの糖を消費することから、血液が十分に供給されていない心筋の領域がどこかわかります。

検査を受ける人は、その人の周囲すべてから放出される放射線を検出し、活動状態の高い位置を記録する、環状のポジトロンCT用のスキャン装置の中に入ります。心筋の活動が活発な部位ほど多くのポジトロンを取りこみ、多くの放射線を放出します。心筋の各領域での活動状態の違いはスキャンの結果、異なる色で示されます。コンピューター処理によってその領域の3次元画像が得られます。
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