Subject  : 反応性関節炎(Reiter症候群)

カテゴリー: 健康・医療情報 


 反応性関節炎(Reiter症候群)
 反応性関節炎(Reiter症候群)は、関節以外の部位の細菌感染症後に起こる関節炎です。以前は最初の報告者の名前からライター症候群と呼ばれていました。一般的に症状が出現する1〜4週間程前に咽喉頭炎、尿路感染症もしくは細菌性の下痢、結膜炎といった細菌感染症が先行し、関節炎が発症します。なお、関節から菌は検出されません。

リウマトイド因子は陰性であること、仙腸関節炎(臀部にある関節の炎症)を伴いやすいことなどが特徴で、以前は、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎とともに血清反応陰性脊椎関節症という一つの大きなグループにまとめられました。しかし現在では、必ずしもリウマトイド因子が陰性でないこともあることから、脊椎関節炎と呼ばれる大きなグループのなかに分類されています。このグループの疾患では遺伝素因としてヒト白血球抗原(HLA)のB27遺伝子が発症のリスク因子であることが知られています。症状は、基本的には下肢を中心とする少数の関節炎(まれに発熱を伴う多関節炎)、仙腸関節炎(臀部の痛み)、腱付着部炎(アキレス腱などかかとの痛みなど)を生じます。反応性関節炎を起こす菌としてはクラミジア・トラコマチス、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア、カンピロバクター、溶血性連鎖球菌などが知られています。

【治療】
 多くが自然に軽快します。したがって、通常は痛い時のみに非ステロイド性消炎鎮痛剤が使用されます。関節炎が持続する場合は、ステロイド剤、免疫調整剤や免疫抑制剤が使用されることがあります。原因は細菌感染症ですが、細菌そのものによる関節炎ではないため、抗生物質は用いません。
 ⇒ 骨、関節、筋肉の病気

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