Subject   : 地震の波とエネルギー

カテゴリー  : 学びの館 > 地学


 地震の波
地震波には P波とS波の2種類があります。 最初に到達する波をPrimary Waveと呼んだことからP波、続いて到達する波を Secondary Waveと呼びS波と呼んでいます。
地震の発生によって励起される弾性波は、まずタテ波が、続いてヨコ波が 到達します。タテ波がP波、続いてくるヨコ波がS波です。
岩石のような弾性体の中を伝わる波には疎密波とねじれ波の2種類があります。
疎密波は、タテ波、ねじれ波はヨコ波で、それぞれの速度は次の計算式 で求めることができます。
  Vp=((λ+2*μ)/ρ))^0.5
  Vs=(μ/ρ)^0.5
ここでλ、μは弾性体のラメの定数、ρは密度です。 流体ではμ=0なので、S波は伝わりません。つまり、横揺れだけに なります。
ちなみに、音を伝える音波は、空気中や水中を伝わるタテ波で、P波に 相当します。
 地震波のエネルギー
地震の規模を表す単位はマグニチュード です。地震波のエネルギーは、マグニチュード(M)の大きさに比例します。
マグニチュードが0.2違うと、約2倍のエネルギーです。たとえば マグニチュード7.2は、マグニチュード7.0に比べて2倍のエネルギーを 持っています。マグニチュードが1違うと32倍、2違うと1000倍のエネルギーです。
関東大震災はM7.9、阪神淡路大震災ではM7.2で、その差は0.7ですが、地震波の エネルギーには10倍の開きがあります。 阪神淡路大震災のときは、淡路島北部とほとんど大都市の直下で、 地震のエネルギーの割には、被害が大きなものとなりました。 つまり、地震の被害は震源の距離にも大きく依存します。
マグニチュードの小さな地震は、大きな地震に比べて、数多く発生しますが、 そのエネルギーを全部たしても、たまにしか発生しない巨大地震には及びません。 日本付近では、1年間の平均で、M5.0の地震が17.2回、M6.0が2.8回、 M7.0が0.4回発生しています。 しかし、それぞれのエネルギーの和は、M5.0が34兆ジュール 、M6.0が約180兆ジュール、M7.0が800兆ジュールです。

参考 : 『図解 地震のことがわかる本』新星出版社

  ⇒ 地震のメカニズム
  ⇒ マグニチュードと震度

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