Subject   : リポプロテイン(リポ蛋白)

カテゴリー  : 学びの館 > 生化学 


 リポプロテイン(Lipoprotein)
消化され出来た遊離の脂肪酸やモノグリセライドは、体内に吸収され、 特殊なタンパク質で覆われて体内を移動します。 このタンパク質で覆われた脂肪酸を リポプロテイン(Lipoprotein)と 呼びます。リポ蛋白ともいいます。 このリポプロテインは、様々な比重(density)のものがあります。 超低比重リポプロテイン(VLDL: Very Low-density lipoprotein))と 低比重リポプロテイン(LDL: low-density lipoprotein)、 高比重リポプロテイン(HDL: high density lipoprotein) の3つ分けられます。 血清脂肪のうち、低比重リポプロテイン(LDL)が悪玉コレステロールと呼ばれているのは、重さの割に体積が大きいからなのです。これに反し体積の小さい高比重リポプロテイン(HDL)は善玉コレステロールと呼ばれています。

● VLDLとLDL
VLDLとLDLは、脂肪(主としてトリグリセライドと コレステロール) を肝臓から体内の各細胞に運ぶ役割を持っています。 HDLは、脂肪を肝臓に返す役割を持っています。 つまり、LDLやVLDL濃度が上昇することは、トリグリセライド (中性脂肪と呼ばれている)とコレステロールを各臓器に運んで 増やすことになるので動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中を引き起こす 危険性が増すことと関係しています。
対照的にHDL濃度が上昇することは、コレステロールと トリグリセライドを肝臓に運んで分解することになるので心筋梗塞 などが発生する危険性が低下することと 関係しています。

● リポ蛋白(a)(LP(a))
 Lp(a)は、LDLのアポ蛋白であるアポB-100に、アポ蛋白であるアポ(a)が結合して構成されるリポ蛋白。  Lp(a)に含まれるアポ(a)は、線溶系でフィブリン網を溶解するプラスミノゲンと構造的相同性がある。  血液中のLp(a)濃度と、冠動脈疾患や脳梗塞の発症に正相関がある。  
 酸化Lp(a)中に含まれる脂溶性の抗酸化物質量は、LDLより少なく、LDLより酸化されやすい。  酸化Lp(a)は、濃度依存性に、LDLより強く、血管拡張を阻害する。
 酸化Lp(a)は、マクロファージにスカベンジャー受容体を介して取り込まれる。コレステロールエステルの蓄積速度で比較すると、酸化LDLは、糖化LDLの10倍蓄積する。
 Lp(a)およびアポ(a)は、用量依存性に血管平滑筋細胞の増殖を促進する
 ⇒ 脂肪酸

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