Subject   : 軽金属と重金属

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 軽金属(light metals)
軽金属(light metals)とは、金属のうち、比重が4ないし5以下のものを指します。 代表的な軽金属は、アルミニウム(比重2.7)、マグネシウム(比重1.7)、ベリリウム(比重1.9)、チタン(比重4.5)、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。 対語は重金属です。
 重金属(比重4〜5以上の金属)
比重が4〜5以上の金属を重金属といいます。
鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマスなどがあります。

重金属(比重4〜5以上の金属)による土壌や地下水、公共用水域などの汚染は、高度成長期に多発し、主に工場や鉱山からの廃水等を原因とした産業型公害として深刻化した。 (水俣病は有機水銀中毒、また、イタイイタイ病はカドミウム中毒が原因) その後、廃水・排煙の規制は進んだが、土壌中汚染物質の蓄積性という特性により、工場跡地などの再開発等に伴い顕在化する事例が増えている。 人は重金属をわずかしか代謝できないため、経口吸収等により急性中毒(発熱・腹痛・嘔吐・下痢・貧血・神経痛)や、肝硬変、脳障害、腎障害、カルシウム代謝異常(イタイイタイ病)、粘膜障害、神経障害、肺がん、中枢神経障害(水俣病)などを引き起こす。 環境省の「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」(1999)では、重金属等として、カドミウム、シアン、鉛、六価クロム、砒素、水銀、アルキル水銀、PCB、有機燐、チウラム、シマジン、チオベンカルブ、セレンの13項目を定めている。一部重金属以外も含まれるが、調査手法が共通するため、重金属等と「等」を付して分類しています。
生物に対し毒性の強いものが多く、鉱山や工場、産業廃棄物などから排出される重金属が、しばしば水源や土壌などの環境中に濃集して公害の原因になる。しかし、毒性が強い重金属でも、ごく少量で生体必須元素として機能するものがあります。 特に鉄、マンガン、コバルト、銅、亜鉛、モリブデンは必須元素です。欠乏すると生理的異常が起こってしまいます。逆に多すぎると異常を引き起こします。毒にも薬にもなるこのような元素は「毒性元素」といわれています。
酵素の構造の中心には、金属が含まれるものがあります。例えば血液には鉄を含む酵素ヘモグロビンがあります。鉄以外にも亜鉛、マンガン、銅の入った酵素も体内にあってそれぞれが独自の働きをしています。この核となる金属に結合しやすい物質が入ってくると、その金属に結合して違う物質になったり置き換わったりするため本来の酵素の役割をしなくなり、結果として「毒」となるわけです。 また、鉛、カドミウム、水銀は、体内の硫黄を組成とするたんぱく質と結合しやすいので有害なのです。

金、銀、白金、一部の白金族元素などは重金属というよりも貴金属として別枠で扱う傾向にある。これは他の重金属と比較して単位あたりの価格が非常に高いこと、またイオンとして溶け出すことが少ないためです。
また、ヒ素は物理的性質は金属に類似していますが化学的性質は燐に類似しているので分類上は非金属にされる場合があります。

 ⇒ 金属の物理的性質

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