Subject   : 染色体(Chromosom)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 染色体(Chromosom)
染色体は、遺伝情報を担う生体物質である。塩基性の色素でよく染色されることから、1888年にヴァルデヤー (Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz) によって Chromosom と名付けられた。Chromo- はギリシャ語で「色のついた」、-some は「物体」を意味する。
染色体は非常に長いDNA分子が ヒストンなどのタンパク質に巻き付きながら折り畳まれた構造体である。真核生物では核内に保持されている
ある生物の二倍体の染色体を調べたいとき、コルヒチンで細胞を処理し細胞分裂をM期で停止させてからギムザ等の染色を施し、凝縮した染色体の数と形状を観察する。こうして撮影された染色体を並べたものが、核型(karyotype カリオタイプ、karyogram カリオグラム とも呼ばれる)である。
カリオタイプは種ごとに一定である。例えば、ヒトの2倍体細胞は、22対の常染色体と1対の性染色体、計46本の染色体を持つ。性染色体の組み合わせは女性では2本のX染色体、男性ではX染色体とY染色体1本ずつとなっている。女性の2本X染色体のうちの片方は不活性化されており、顕微鏡下ではバー小体として観察される。
無性生殖で増殖する種の細胞は染色体を1セットしか持たず、その生物の全細胞についてそれが言える。有性生殖を行う種は、二倍体 [2x] かまたは多倍体 [Nx] の体細胞と、半数体の配偶子 [n = x の整数倍]を持つ。二倍体は2セットの染色体で、1セットが父親由来でもう1セットが母親由来である。多倍体は3セット以上の染色体を持ち、1倍体は1セットしか持たない。哺乳類では、受精において雄と雌の配偶子が融合すると、その時点ではまだ二倍体の卵細胞が減数分裂を起こし、受精卵の成熟化がおこる。減数分裂の過程で、母親と父親の対応する染色体同士は交叉を起こしてお互いに部分部分を交換する。このようにして、片親からの染色体をそのまま次の代に渡すのではなく、新しい染色体が作られるようになっている。一倍体は単相、二倍体は複相とも呼ばれる。
染色体数 (2n)
ショウジョウバエ 8
ハト 16
ミミズ 32
ネコ 38
マウス 40
ブタ 40
ヒト 46
類人猿 48
ウマ 66
モルモット 64
ニワトリ 78
イヌ 78
コイ 100
チョウ 380
ライ麦 14
コムギ 42
シダ ~1200

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