Subject   : 腫瘍壊死因子(: TNF )

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 腫瘍壊死因子(: TNF )
炎症性サイトカイン、可溶性腫瘍壊死因子

TNFαは、好中球や血管内皮細胞を活性化し、活性化好中球の血管内皮細胞への粘着を促進させ、好中球エラスターゼや活性酸素種による血管内皮細胞傷害を引き起こす。
この結果、血管内皮細胞による白血球の活性化抑制作用を有するNOや ロスタグランジン(PG)の産生が低下し、微小循環やさらなる単球や好中球の活性化が惹起されます。それにより、TNFαの産生が亢進し、血管内皮細胞や平滑筋細胞に誘導型合成酵素:iNOSが誘導され、大量のNO産生による血圧低下や微小循環虚脱、すなわちショックが起こります。また、さらなる好中球により引き起こされる血管内皮細胞傷害がARDS、肝不全、急性腎不全等の臓器障害が引き起こされる。 TNFαは、IFN-γの存在下で線維芽細胞のコラーゲン合成を抑制する。
 TNFα等の炎症性サイトカインは、血管内皮細胞や好中球を活性化し、敗血症性ショックや臓器障害を引き起こしますので、APCのTNFα産生抑制作用は、重症感染症に伴うDICや臓器障害を軽減する可能性が高いと思われます。
 TNFαはインスリンの作用を阻害することが確かめられています。このTNFαの作用と拮抗するようなサイトカインとしてアディボネクチンがあります。
また2005年に発売されたエンブレル(エタネルセプト)は関節リウマチ(RA)の治療薬で、TNFレセプターが体内でTFNの作用を調整することに着目して開発された、TFNα/LTαレセプター製剤です。

 ⇒ サイトカイン(生理活性物質)

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