Subject   : アポ蛋白(apolipoprotein)

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 アポ蛋白(apolipoprotein)
 水に不溶性の脂質(エステル型コレステロール、中性脂肪など)は、 血液中を、アポ蛋白と結合して、 リポ蛋白(lipoprotein)になって、運搬される。 リポ蛋白の表層は、親水性のリン脂質、遊離コレステロール(遊離型コレステロール:少ない)、アポ蛋白(apolipoprotein)と呼ばれる蛋白質から構成される。疎水性のトリグリセリド(中性脂肪)とコレステロールエステル(エステル型コレステロール:多い)は、内部の核層に存在する。  アポ蛋白は、リポ蛋白を細胞内に取り込む際の、リガンド(受容体と結合する物質)になる。  アポ蛋白(アポリポ蛋白)は、水に不溶性の脂質(エステル型コレステロール、中性脂肪など)を、血液中を、リポ蛋白として運搬するのに、必要。  日常的に測定可能なアポ蛋白は、アポA-I、アポA-II、アポB、アポC-II、アポC-III、およびアポEの、6種類がある。

種類 産生臓器 存在するリポ蛋白 メモ
アポA-I 小腸、肝 HDL←カイロミクロン LCATの活性化、HDL受容体との結合
アポA-II HDL LCATの活性阻害、HTGLの活性阻害
アポB-100 VLDL、IDL、LDL LDLのLDL受容体との結合
アポB-48 小腸 カイロミクロン、
カイロミクロンレムナント
カイロミクロン粒子の統合
アポC-I 肝(小腸) HDL⇔カイロミクロン、
VLDL、IDL
LCAT、LPLの活性化
アポC-II LPLの活性化
アポC-III LPLやHTGLの活性阻害、
レムナント受容体との結合を阻害
アポE 肝、末梢組織 カイロミクロン、
カイロミクロンレムナント、
VLDL、LDL、HDL 
レムナント受容体との結合、VLDLや
IDLのLDL受容体との結合、VLDL受容体との
結合


マクロファージには、アポB-48と結合する受容体がある。
 過栄養では、肝臓に、脂肪酸が中性脂肪などの脂質として蓄積して、脂肪肝になるが、低栄養でも、アポ蛋白の合成が低下すると、VLDLとして分泌されず、脂肪肝になる。  アポ蛋白は、肝臓や小腸などで産生される。

 ⇒ たんぱく質

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