Subject   : 解剖学(Anatomy)

カテゴリー  : 学術情報 > 医学・薬学・解剖学


 解剖学(Anatomy)
生物体の正常な形態と構造とを研究する分野である。形態学の一つ。

研究対象により、植物解剖学と動物解剖学とに分けられるが、医学における解剖学は後者の一部をなす人体解剖学 (human anatomy e., Menschenanatomie d.) である。人体解剖学は、ヒトのからだ(身体)のつくりや形について学ぶ学問である。
構造を明らかにするためには、外部のみではなく、内部を細かく分けて研究しなければならない。anatomyとは、(ana)相互にあるいは下から上に(tomia)切るという意味であり、まさに解きわける(剖)と言うことである。生命形態の自然誌(三木成夫、解剖学論集)によると、解剖とは「解」も「剖」も共に刀で切る象形であり、anatomia etc の欧語は古代ギリシャ語のana-temnein(ana:up,temno:cut)=cut up(切り尽くす)に由来する。

■ 肉眼解剖学
肉眼あるいはルーペ程度の拡大による観察で調べられる範囲で、対象の形態、構造を記述する学問。日本では1771年に前野良沢・杉田玄白らが腑分けを見学したことが有名である。
現在は医師、歯科医師の養成課程ではヒトの肉眼解剖学が、獣医師のそれでは多種の動物を対象にした肉眼解剖学が、それぞれ専門課程の初期段階で必須項目とされる。解剖実習と称して、ピンセット、メス、はさみ、ノコギリなどを使い、遺体の諸構造(筋、骨、血管、神経、内臓など)を剖出(ぼうしゅつ)し、観察・記録する。

■ 顕微解剖学(組織学:Histology)
肉眼では観察できない微細な構造について、顕微鏡を駆使して調べ、構造を記載する学問。各器官(臓器)内の構造の特徴を、それを構成する細胞のレベルまで、あるいは細胞内小器官のレベルまで解明するもの。
組織学では細胞間に見られる構造・機能的な関連性に注目する。固定や染色といった手法を用いて用意した標本を顕微鏡で観察するのが基本である。発生生物学の基本技術である他、病理学でも病理組織の検査に用いられる。

19世紀には生体を構成する組織という概念が誕生し、細胞、神経、血管、骨髄、上皮組織などが発見されていった。

■ 系統解剖学

分類 英語名 メモ
骨学 osteology
靱帯学 syndesmology
筋学 myology
内臓学 splanchnology
感覚器学 aesthesiology
脈管学 angiology
神経学 neurology


 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]