Subject   : 男性の生殖器

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 男性の生殖器
陰茎は腹壁につながった陰茎根、中間部の陰茎体、陰茎先端の円すい形をした亀頭で構成されています。亀頭の先端には、精液と尿の放出口となる外尿道口があります。亀頭と陰茎体の間のくびれを亀頭冠といい、割礼を受けていない男性では、亀頭が露出せず、亀頭冠まで包皮で覆われています(包茎)。
陰茎体には、勃起組織である円筒形の空間(洞)が3本あります。そのうち大きい方の2本は1対の陰茎海綿体で、並んで位置しています。もう1本は、尿道を取り巻く尿道海綿体です。これらの海綿体洞が血液で満たされると、陰茎は大きく硬くなります(勃起)。

陰嚢は薄い皮膚でできた袋で、精巣を包んで保護しています。また、陰嚢には精巣の温度を調節する役割もあります。正常な精子をつくるためには、精巣の温度を体温よりやや低く保つ必要があります。そこで、陰嚢壁の精巣挙筋がゆるんだり収縮したりすることで、精巣を体から離して冷やしたり、体に近づけて温めたり保護したりしています。

精巣は大きめのオリーブほどの大きさの卵形の器官で、陰嚢に収められています。通常、左の精巣は右よりもわずかに低い位置にあります。精巣には、精子をつくる機能と、主要な男性ホルモンであるテストステロンをつくる機能があります。精巣上体(副睾丸)はコイル状の管で、長さは約6メートルあり、左右の精巣にそれぞれつながっています。精巣でつくられた精子は精巣上体に集められ、ここで成熟します。

精管は精巣上体から精子を送る丈夫な管で、左右の精巣上体から伸びて前立腺の背部につながり、尿道に通じています。精管はさらに、血管や神経と合わさってからみ合った構造の精索を形成しています。
男性の尿道には2つの機能があります。1つは膀胱(ぼうこう)から尿を排出する尿路の一部としての機能と、もう1つは、精液を射出する生殖器系の一部としての機能です。

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、その中を尿道が通っています。若い男性ではクルミほどの大きさですが、年をとるにつれて大きくなります。前立腺が肥大すると尿道の尿の流れを阻害します。前立腺の上方にある精嚢は、精管と合流して射精管を形成し、前立腺の内部を通って尿道につながっています。前立腺と精嚢は精子の栄養となる液をつくります。精液の大部分を占めるのはこの分泌液で、射精時に精子がこの中に放出されます。精液に含まれる他の成分は、精管と陰茎頭部の粘液腺でつくられます。

 ⇒ ホルモンがつくられる部位と機能

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