Subject : 松果体(pineal body)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
松果体(pineal body)
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松果体(しょうかたい)は、脳にある小さな内分泌器。松果腺 (pineal gland) 、上生体 (epiphysis) とも呼ばれる。脳内の中央、2つの大脳半球の間に位置し、2つの視床体が結合する溝にはさみ込まれている。概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌することで知られる。。
松果体は、赤灰色でグリーンピース(人間で8mm)ほどの大きさである。上丘の上、視床髄条の下に位置し、左右の視床に挟まれている。松果体は視床後部の一部を構成する。
松果体の構造は、
大きく比較的明るい核を持つ松果体細胞(細胞質豊富;メラトニン分泌)と小型の丸い核を持つ神経膠細胞(多くは星状膠細胞)および他の内分泌器官に較べて少し発達の悪い毛細血管からなる。
加齢とともにリン酸カルシウムや炭酸カルシウムが沈着・結晶化した脳砂 (brain sand)が出現・増加する。最近では、リン酸アンモニウム、方解石の沈殿物も報告されている。
松果体は脳の中央線上にあり、頭蓋骨をX線で撮影すると石灰化したものが写ることがある
人間の松果体は松果体細胞からなる分葉状の柔組織である。表面は軟膜に覆われている。おもに松果体細胞で構成されるが、そのほかに4種類の細胞がある。
- ● 松果体細胞
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から6の突起がある細胞体からなる。メラトニンの生産と分泌を行う。特殊な鍍銀法で染色できる。る
- ● 間質細胞
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松果体細胞の間に位置する。
- ● 血管周囲性の食細胞
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松果体には多くの毛細血管があり、血管周囲性の食細胞はそうした血管の周りにある。食細胞は抗原を提供する。
- ● 松果体ニューロン
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高度な脊椎動物には松果体にニューロンが存在するが、齧歯類にはない。
ペプチド含有ニューロン状細胞
いくつかの種には、ニューロン状のペプチド含有細胞が存在する。パラ分泌を調節する機能があると考えられる。
松果体は上頚神経節から交感神経支配を受ける。蝶口蓋動脈と耳神経節からの副交感神経支配もある。さらに、いくつかの神経線維が松果体の軸を貫いている(中央の神経支配)。神経ペプチドPACAPを含む神経線維によって、三叉神経節のニューロンによる支配も受ける。
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