Subject   : ゴルジ装置(Golgi apparatus)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 ゴルジ装置(Golgi apparatus)
ゴルジ装置は、真核生物の細胞にみられる細胞小器官の1つ。発見者の カミッロ・ゴルジ(Camillo Golgi)の名前をとってつけられた。 ゴルジ体(Golgi body)、ゴルジ複合体(Golgi complex)あるいは網状体 (dictyosome) とも言う。 へん平な袋状の膜構造が重なっており、細胞外へ分泌されるタンパク質の 糖鎖修飾や、リボソームを構成するタンパク質の プロセシングに機能する。

何層にも重なった袋状の構造をして おり,シス,メディア,トランスの3部域から構成されている。ゴルジ装置では, 粗面小胞体で合成されたタンパク質が小胞を介して,まずシス部に入り,メデ ィア部を転送される間に糖鎖の修飾を受けて成熟する。そして出口のトランス 部で,出来上がった糖タンパク質を分泌顆粒,リソソーム,細胞膜行きなどの 分泌小胞に振り分けている。つまり,機能別に加工・選定して梱包する配送セ ンターのような役割を果たしている。この装置は当然ながら分泌細胞でよく発 達している。

 ゴルジ装置の機能は、分泌性タンパク質をまとめて小包にして送り出す働きをしている。小胞体に結合したリボソームで合成されて小胞体腔へ送り込まれたタンパク質は、小胞体から輸送小胞の形で送り出され、ゴルジ装置の膜と融合してゴルジ装置へ取り込まれる。ゴルジ装置では糖が付加されて糖タンパク質になり、ふたたび膜に包まれた小胞(分泌顆粒)となる。

 ゴルジ装置には方向性があり、粗面小胞体から小胞を受け入れる面(cis面)と、送り出す面(trans面)が区別できる。  ゴルジ体からサイトゾールへ送り出された輸送小胞(分泌顆粒)は細胞内に留まり、必要に応じて細胞膜へ移動して細胞膜と融合し、顆粒内部に貯蔵された糖タンパク質を細胞の外へ分泌する(開口分泌、exocytosis)。膜タンパク質は小胞の膜に埋め込まれたまま細胞膜と融合し、小胞膜内側が細胞膜外側となることによって細胞膜に埋め込まれる。
 ⇒ 真核細胞(eucaryotic cell)

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]