Subject : LDH(乳酸脱水素酵素)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
LDH(乳酸脱水素酵素)
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LDH(lactate dehydrogenase:EC 1.1.1.27)は、嫌気的解糖系の最終段階で、ピルビン酸(焦性ブドウ酸)を乳酸に変える酵素です。
LDHは、ほとんど全ての組織に含まれますが、特に、腎臓、骨格筋、肝臓、心筋、癌組織などに多く含まれています。
LDHは、可逆的に、次の反応を触媒します。
ピルビン酸+NADH2+⇔L-乳酸+NAD+
この反応平衡は、生理的pHでは、右(乳酸の方向)に傾いていて、血液中では、乳酸/ピルビン酸比は、10〜20です。
LDHは、H型のサブユニットと、M型のサブユニットとの4個のサブユニットから構成されています。H型のサブユニットは、遅筋や心筋に多く、乳酸からピルビン酸を生成し、M型のサブユニットは、骨格筋の速筋線維に多く、ピルビン酸から乳酸を生成します。LDHには、サブユニットの組み合わせにより、5種類のアイソザイムが存在します。
LDH1(H4)、LDH2(H3M1)、LDH3(H2M2)、LDH4(H1M3)、LDH5(M4)の5種類のアイソザイムが存在します。
LDH1は、心筋梗塞や腎梗塞や溶血性貧血などで上昇し、LDH2は、白血病などの悪性腫瘍で上昇し、LDH5は、急性肝炎や肝硬変などの肝疾患や、筋ジストロフィー、尿毒症などで、上昇します。
肺間質は、LDHに富む組織で、LDH2、LDH3、LDH4が多く発現しています。
アデノウイルス7型(Ad7)による肺炎の死亡例では、血清中のLDHは、平均7,000IU/Lにまで増加します。後遺症なく治癒した症例でも、血清中のLDHは、平均2,000IU/L程度まで増加します。
アデノウイルス7型(Ad7)による肺炎(間質性肺炎)では、LDH3とLDH4(III型とIV型のLDHアイソザイム)が上昇します。
⇒
酵素(こうそ)
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