Subject   : 酵素(こうそ)

カテゴリー  : 学びの館 > 生化学 


 酵素(enzyme、ferment)
酵素(こうそ)とは生体内の化学反応(代謝)を進行させる生体触媒の ことです。 タンパク質からなるものが多く、その活性を発現するために低分子の 補酵素を必要とするものもあります。
酵素が化学構造を認識して作用する化学物質を基質と呼びます。
酵素は、触媒としての機能を持っており、 反応の前後に変化することなく、 化学反応の活性化エネルギーを減少させて反応を進行させる 特徴があります。 その他の特徴として
  • 常温、常圧、中性付近のpHで化学反応を進行させる
  • 基質特異性がある(よく似た基質も見分けて反応を起こす)
  • 作用のための最適温度および最適pHがある → 活性条件
         一般に約40℃
         ペプシン(胃液)pH2,トリプシン(すい液)pH8
  • 基本的に反応の両方向を担う
  • モルあたりの反応の効率が、無機触媒よりも良い
  • 長期間使用し続けると、常温であっても立体構造を維持できなくなる
  • 高温を与えると、熱変性する (熱失活)

● 代表的な酵素と働き
酵素 はたらく物質 生成物 所在
アミラーゼ デンプン マルトース 唾液,膵液,麦芽
マルターゼ マルトース グルコース 腸液,唾液,膵液
インベルターゼ スクロース 転化糖(グルコース,フルクトース) 植物,酵母,カビ,腸液
ラクターゼ ラクトース グルコース,ガラクトース 植物,細菌類,腸液
チマーゼ グルコース エタノール,二酸化炭素 酵母
セルラーゼ セルロース セロビオース 植物,菌類,細菌類
ペプシン タンパク質 ペプチド,アミノ酸 胃液
トリプシン タンパク質 ペプチド,アミノ酸 膵(すい)液
ペプチダーゼ ペプチド アミノ酸 膵液,腸液
リパーゼ 油脂 高級脂肪酸,グリセリン 膵液,胃液,植物
カタラーゼ 過酸化水素 酸素,水 血液,肝臓,植物

● 酸化還元反応
酸化還元反応を担う酵素では、反応の進行方向によって『酵素の至適pH』が異なる場合がある。例えば、以下の反応
リンゴ酸+NAD+ → オキサロ酢酸+NADH
は高pH、即ちアルカリ側で盛んに進行する。一方、逆反応
オキサロ酢酸+NADH → リンゴ酸+NAD+
は、低pH、即ち酸性側で進行する。

● 酵素反応と基質濃度
基質濃度の上昇は化学反応をより進行させるが、酵素を用いた反応系では酵素が有限の場合、酵素量によって反応速度が決定される。即ち、基質濃度を無限に上昇させても、反応速度はあくまで酵素量によって決定されると言うことである。これは酵素と基質が複合体を作って反応を進行させるという酵素基質複合体モデルによるものである。
 ⇒ 酵素の種類と生体内での活動場所

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]