Subject   : 血液型

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 血液型
血液内にある血球のもつ抗原の違いをもとに決めた血液の分類のことである

抗原は、赤血球・血小板・白血球・血漿などに存在し数百種類が知られており、その組み合せによって決まる血液型は膨大な数(数兆通り以上という説もあり)になる。世界を捜しても、自分と完全に同じ血液型をしている人はいないとすら言われる。

輸血をする場合、ABO式など一部の分類は自然抗体が形成され、型違いの血液を混ぜると凝集や溶血が起きるため、型合わせする必要がある。 また、血液型によって、凝集や溶血反応はそれぞれである。

■ ABO式血液型
赤血球による血液型の分類法の一種。1900年から1910年ごろにかけて発見された分類法で、最初の血液型分類である。

A型はA抗原を発現する遺伝子(= A型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、B抗原に対する抗体が形成される。 B型はB抗原を発現する遺伝子(= B型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、A抗原に対する抗体が形成される。 O型はどちらの遺伝子も持っていない。A抗原、B抗原それぞれに対する抗体が形成される。 AB型は両方の抗原(A抗原およびB抗原)を発現する遺伝子を持っており、抗体形成はない。

■ Rh式血液型
赤血球膜の抗原による分類法。1940年ごろから明らかにされた。現在は40種以上の抗原が発見されている。その中でもD抗原の有無についての情報を陽性・陰性として表示することが最も多い。すなわち、Rh+(D抗原陽性)とRh-(D抗原陰性)である。
Rh-型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性がある。Rh-型の女性がRh+型の胎児を妊娠することが2回以上になると病気・流産の原因となることがある。世界の80%はRh+である。

■ HLA型
白血球の抗原の分類によるもの。 HLA型はヒト白血球抗原   (Human Leukocyte Antigen)の略で、その重要性から   主要組織適合性抗原ともいわれています。
現在では血液に限らず、組織の適合性に関わる情報として用いられるようになっているものである。ヒトの遺伝子上で白血球の抗原に関わる部位は、主要なものだけでもA,B,C,DP,DQ,DRの6箇所があり、それらの部位のタイプの組み合わせは数万通り以上あると言われており、結果として、特に血縁関係でもない限り人間同士でHLA型が完全に一致することは極めて稀である。
HLA抗原はヒトの第6染色体の上にある遺伝子群(DNA)によって決定されるタンパクで、核を持った細胞の表面上に存在します。タンパクの構造によってクラスT抗原(A、B、C)とクラスU抗原(DR、DQ、DP)に分けられています。このHLA型が一致しないと、骨髄移植は拒絶反応などの副作用によって成功率が低くなる傾向があります。
骨髄移植にはHLA型の座のうち、原則としてA座、B座、DR座の3座(1座につき2個、合計6座)の適合が必要です。HLA型は両親から各座半分ずつを受け継ぐため、兄弟姉妹間では4分の1ずつの確率で一致します。しかし親子ではまれにしか一致せず、非血縁者(他人)では数百〜数万分の1の確率でしか一致しないのです。なお、6座の適合するドナー候補者が見つからない場合、患者さんの希望によっては一部不一致(5座一致)の方も適合として骨髄提供依頼される場合があります。
 ⇒ 血圧

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