Subject   : 脳機能イメージング

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 脳機能イメージング
 脳機能イメージングとは、生きている脳内の各部の生理学的な活性(機能)を様々 な方法で測定し、それを画像化すること、あるいはそれに用いられる技術。脳で行わ れる様々な精神活動において、脳内の各部位がどのような機能を担っているのかを 結びづける研究資料になる。また、正常の状態と比べることで、脳の病気の診断にも 用いることができる。 脳の構造を画像化することは、診断や研究のために比較的古くから行われていたが 、機能的な状態を画像化する試みは1980年代になって行われるようになった。 脳血流動態を観察する方法として、機能的MRI (fMRI)や、 ポジトロン断層法 (PET) 近赤外線分光法 (NIRS)などがある。また神経細胞の電 気活動を可視化する方法として脳電図 (脳波)、脳磁図 (MEG)などがある。

 ● 脳磁図(Magnetoencephalography)
脳磁図(MEG)は脳の電気的な活動によって生じる磁場を超伝導量子干渉計 (SQUIDs) と呼ばれる非常に感度の高いデバイスを用いて計測するイメージング技術 である。この計測法は研究面、医療面の両方に利用される。例えば、脳外科手術の 際に病変の位置を決定したり、脳科学研究の際に脳や神経フィードバックや他の様 々な部分の機能を決定するのに用いられる。

同期した神経活動により生じる電流は非常に弱い磁場を誘起し、脳磁図はこの磁場 を計測する。しかし、この脳磁場は非常に弱く、大脳皮質 の活動では10 fT (フェムト テスラ)、ヒトのアルファ波で103 fT ほどである。一方、都市部において生じる環境磁 場ノイズのオーダーは108 fT にもなる。したがって、生体磁場の計測にあたり、計測 したい信号の小ささと、外部ノイズの大きさという2つの大きな問題が生じる。超伝導 量子干渉計という非常に感度の良い計測デバイスの進歩が脳磁場の解析に利用さ れ、この問題に対処するのに用いられている。
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