Subject : 抗がん剤の副作用
カテゴリー : 学術情報
抗がん剤の副作用
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抗がん剤は、種類によってさまざまな副作用があります。副作用には、自覚的なもとの、検査などでわかる他覚的なものがありますが、その現われ方には個人差が大きいという特徴があります。
また、抗がん剤の進歩、副作用の予防法や対処法の進歩によって、副作用はかなり抑えられるようになってきています。自分が使用する抗がん剤で現われやすい副作用、現われる時期、回復する時期などを前もって知っておくことが大切です。担当医からよく説明を受けましょう。
- □ 脱毛
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毛髪をつくる細胞がダメージを受けるために、頭髪や眉毛の脱毛が起こることがあります。一般に、脱毛は治療開始後2〜3週間で始まり、最終治療後2〜3ヶ月ほどで回復し始めます。
- □ 倦怠感
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抗がん剤治療が複数クール行われる場合、回数を重ねるほどに倦怠感は蓄積しやすいといわれ、治療が終了したあとでも長期間持続することがあります。
- □ 貧血
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赤血球は、中に含まれるヘモグロビンという赤い色素が、肺で受け取った酸素を全身の細胞に運搬、供給することによって、生命を維持する重要な働きをしていますが、抗がん剤により赤血球やヘモグロビン量が著しく減少すると、組織が酸素不足に陥り、貧血の症状が現れます。
- □ 感染症
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感染症は多くの化学療法(抗がん剤)に共通する副作用の1つです。骨髄の造血細胞がダメージを受けるため、血液中の白血球や赤血球が減少します(骨髄抑制)。
- □ 口内炎
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口内炎は、化学療法(抗がん剤)によって粘膜が傷つけられることによって起こります。粘膜の炎症が回復するまでには時間がかかるので、悪化させないようにすることが大切です。
- □ 吐き気・嘔吐
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抗がん剤が脳の嘔吐中枢やその受容体を刺激したり、食道や胃の粘膜に損傷を与えることで起こります。近年はさまざまな吐き気止めが開発されて、完全とはいかないまでも、症状をかなり抑えられるようになっています。
- □ 下痢
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化学療法(抗がん剤)の作用による下痢には、腸管の蠕動運動が活発になるものと、腸管の粘膜にダメージを受けるものの2種類があります。とくにイリノテカンは激しい下痢を起こすことがあり、フルオロウラシルの併用療法では高頻度で下痢をきたします。
- □ 便秘
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最も便秘を起こしやすいのがビンクリスチンなどの植物アルカロイド系の薬剤です。予防と治療の基本は、水分を十分にとるとともに、下剤などを使って、便を柔らかくしたり、腸の運動を刺激して便通を整えることです。ほとんどの場合、これによって便通をコントロールできます。
- □ アレルギー(過敏症)
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程度に差はありますが、どの抗がん剤でもアレルギー反応(過敏症)が起こる可能性があります。なかでも、パクリタキセル、L-アスパラギナーゼは高頻度で起こります。
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