Subject : LPS(リポ多糖)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
LPS(リポ多糖)
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LPSは「リポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)」の略称で、日本語では「糖脂質」や「リポ多糖」と呼ばれます。名前の通り糖と脂質が結合した構造をしており、糖部分は水溶性、脂質部分は脂溶性であることから、水と油の両方に溶ける性質を持っています。ただし通常は、水の方によく溶けます。
LPSは、グラム陰性細菌の成分で、グラム陰性細菌の細胞壁の外側にぎっしりと埋め込まれた形で存在しています。
LPSの最も良く知られている生物活性は、マクロファージの活性化です。マクロファージは自然免疫の中心的細胞で、体中に存在しており、細菌やウイルスから身体を守ったり、傷の修復を助けたり、新陳代謝の調節に欠かせない働きをしています。従って、マクロファージを活性化するLPSは、感染防御、創傷治癒、代謝調節の機能を高めます。
LPSがマクロファージを活性化する仕組みは、現在ではよくわかっています。マクロファージの細胞表面には、色々な物質をキャッチするためのレセプター(受容体)が多数存在します。その中のTLR4というレセプターがLPSをキャッチするレセプターです。TLR4にLPSが結合すると、細胞内の核にまでシグナルが伝達されて、核の中の遺伝子が揺り動かされて細胞が活性化します。
<出典:自然免疫応用技研株式会社>
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