Subject   : 抗RNP抗体

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 抗RNP抗体
 抗RNP抗体は、広く自己免疫疾患で陽性となる自己抗体の一つ。抗Sm抗体陰性で抗RNP抗体が陽性であれば、混合性結合組織病を疑う。  抗RNP抗体とは、ENA(extractable nuclear antigen)に対する自己抗体の一種である。

 リボ核蛋白(ribonucleoprotein:RNP)に対する抗体、すなわち抗RNP抗体は、Rnaseに感受性の抗ENA抗体で、非ヒストン核蛋白抗原に対する抗核抗体の一つである。

 抗ENA抗体には大別して抗RNP抗体(Rnase感受性抗体)と抗Sm抗体(Rnase抵抗性抗体)があり、通常は抗Sm抗体が陽性であれば抗RNP抗体も陽性になることが多い。

 抗RNP抗体は広く自己免疫性疾患で陽性になり、さらに抗Sm抗体も陽性の場合にはSLE(全身性エリテマトーデス)の可能性が高い。また、本抗体が陽性で抗Sm抗体が陰性の場合は、混合性結合組織病(MCTD)やOverlap症候群、シェーグレン症候群の可能性がある。

 抗RNP抗体の測定は、主に二重免疫拡散法とCLEIA法により検査されており、二重免疫拡散法での陽性率は、MCTDを含む重複症候群で63%、SLEで43%、全身性硬化症で28%、シェーグレン症候群で24%との報告がある(東條ら、1995)。

<出典:LSIメディエンス>

 ■ 陽性を示す病態
 混合性結合組織病(MCTD)、SLE(全身性エリテマトーデス)、Overlap症候群、シェーグレン症候群 など
 ⇒ 抗原と抗体

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