Subject   : リガンド(Ligand)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 リガンド(Ligand)
 生化学や薬理学では、リガンド(Ligand; ライガンド)とは生体分子と複合体を形成して生物学的な目的を果たす物質のことを指す。 タンパク質-リガンド結合では、リガンドは通常、標的タンパク質上の結合部位に結合することでシグナルを生成する分子である。 この結合は、通常、標的タンパク質の配座異性体(コンフォメーション)の変化をもたらす。 DNA-リガンド結合研究では、リガンドはDNA二重らせんに結合する低分子、イオン、タンパク質のいずれかである。 リガンドと結合相手の関係は、電荷、疎水性、分子構造の関数である。 結合のインスタンスは、時間と空間の無限の範囲で発生するので、その速度定数は通常、非常に小さな数である。

結合は、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力などの分子間力によって発生する。 関連付けまたはドッキングは、実際には解離を介して可逆的である。 リガンドとターゲット分子の間の測定可能な不可逆的共有結合は、生物学的システムでは非典型的である。 金属有機化学や無機化学におけるリガンド(配位子)の定義とは対照的に、生化学では、ヘモグロビンの場合のように、リガンドが一般的に金属部位で結合しているかどうかは曖昧である。 一般的にリガンドの解釈は、どのような結合が観察されたかという文脈に基づいている。 その語源は「結合する」という意味の ligare に由来している。

受容体タンパク質に結合したリガンドは、三次元形状の配向性に影響を与えて立体配座(コンフォメーション)を変化させる。 受容体タンパク質のコンフォメーションは機能状態を構成している。 リガンドには、基質、阻害剤、活性化剤、脂質依存性イオンチャネル(signaling lipids)、神経伝達物質などがある。 結合率はリガンド結合親和性と呼ばれ、この測定は効果の傾向や強さを代表するものである。 結合親和性は、ホスト-ゲスト相互作用だけでなく、溶液中で非共有結合を駆動する支配的で立体効果的な役割を果たすことができる溶媒の効果によっても実現される。 溶媒は、リガンドと受容体が適応するための化学的環境を提供し、その結果、パートナーとしてお互いを受け入れたり拒否したりする。

放射性リガンドは、放射性同位体標識化合物であり、PET研究のトレーサーとして、またin vitroでの結合研究のために生体内(in vivo)で使用されている。

特にタンパク質と特異的に結合するリガンドは、微量であっても生体に対して非常に大きな影響を与える。そのため薬学や分子生物学の分野では重要な研究対象になっている。

<出典:Wikipedia>

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 ⇒ 受容体(Receptor)

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