Subject : 神経管(neural tube)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
神経管(neural tube)
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神経管(neural tube)は、胚盤背側の外胚葉が溝状に陥没すると同時に溝の両側が伸び出し左右が接触・融合することによって形成される。この過程を通じて外胚葉の直下や神経管の周囲には連続した基底膜が観察される。
成熟した中枢神経組織の実質最外層では、アストロサイトの突起(astrocyte endfeet)が層をなし、限界膠(glial limitation)を形成する。基底膜はこのアストロサイトの突起の層を裏打ちするように認められ、神経実質と軟膜とを隔てている (軟膜基底膜:pial basement membrane) 。
中枢神経系に出入りする血管は、軟膜の一部を伴って脳実質へ侵入する。血管の実質内への侵入に伴って血管壁の平滑筋細胞が失われるため、やがて血管の周囲は内皮基底膜 (endothelial basement membrane) と軟膜基底膜の延長である脳実質基底膜(parenchymal basement membrane)の二層によって囲まれるようになる。さらに脳実質内に侵入すると両基底膜は融合し、この基底膜(composite basement membrane)は一面で血管内皮と他面でアストログリアの突起と接することになる。。
フラクトン(fractone)は、脳実質内の毛細血管を取り巻く基底膜のみが脳室を覆う上衣(ependyma)に向かって枝分かれしながら伸び出した構造である。
脈絡叢(choroid plexus)は血管に富む構造で脳脊髄液 (CSF: blood-cerebrospinal fluid) を産生する。脈絡叢は脳室内に突出しており、波うった脈絡叢上皮 (choroid plexus epithelium)とその直下を走る毛細血管網からなる。脈絡叢上皮、血管内皮ともに固有の基底膜をもち、両者が密接した部分では2重の基底膜が両者を隔てる。脈絡叢上皮以外の上衣は固有の基底膜を持たない。
組織を問わず全ての基底膜に共通して存在する基底膜の主成分に、IV型コラーゲン (Type IV collagen)、ラミニン (laminin) とニドゲン (nidogen)、ヘパラン硫酸プロテオグリカン (HSPG) がある。これらには以下に述べるようなアイソフォームが存在し、その組み合わせにより組織や細胞に特異的な基底膜を形成する。
<出典:脳科学辞典>
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