Subject   : 光の自己束縛

カテゴリー  : 光学 


 光の自己束縛
 希ガスの非線形屈折率による空間・時間の位相変調を用いた真空紫外〜赤外のフェムト秒レーザー光源です。テラワット(1012W)級の高強度レーザーは大気圧程度のガス中でも自己収束を生じ直径100μm程度のファイバー状の伝搬路を自ら形成して数10mの距離を伝搬します(自己束縛)。自己束縛されたフェムト秒パルスは高い光強度を持つため、時間的にも強い自己位相変調を生じ、スペクトルが拡がります。希ガス中では吸収、群速度分散が十分小さいため、得られるスペクトルは150nmから数μmの波長範囲におよび、フェムト秒のパルス幅を持ちます。レーザー光の位相変調波であるため、レーザーと同様に微小空間へ集光できます。

光強度が高くなると非線形屈折率によりビームは自ら光強度の強い方向に収束していきます。この自己収束と回折などによる発散の効果がつりあい、一定の光強度を保ちながらビームが伝搬することを自己束縛と呼びます。超短パルスレーザーの自己束縛では非線形屈折率は電子分極により、自己収束の強さは光強度の瞬時値に比例します。このため、チャンネルの径はパルスピークで細く、その前後では広くなります。

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 ⇒ レーザーの種類
 ⇒ Qスイッチレーザー

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