Subject   : スクイーズド状態(squeezed state)

カテゴリー  : 光学 


 スクイーズド状態(squeezed state)
 レーザー光に代表される コヒーレント状態は,複素振幅で特徴づけられ,一定の振幅,位相をもつ古典的な振動の自然な拡張になっている.しかし,振幅(光子数)が小さい場合には,真空のゆらぎの影響で,振幅の相対ゆらぎと位相のゆらぎが目立つようになる.パラメトリック過程などの非線形効果を用いると,不確定関係の制約下で,特定の位相成分の振幅ゆらぎを増加させる代わりに,直交する位相の ゆらぎを減少させることができる.

このようにゆらぎの一方を犠牲にして他方を小さくした状態はスクイーズド状態と呼ばれる.直交位相振幅スクイーズド状態は,干渉計の感度を向上させるのに有効な手段である.

発光ダイオードを定電流駆動すると,光子数のゆらぎが抑圧された状態が得られる.この場合には位相ゆらぎが犠牲になっている.光子数スクイーズド状態の最も完全なものが,光子数状態(フォック状態)である.光子の状態は,ホモダイン検出法によって測定される.ホモダイン法を拡張すると,光の状態の 密度行列に相当するウィグナー関数を求めることもできる.このような手法は,ホモダイン・トモグラフィーと呼ばれる.

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 ⇒ 量子光学(quantum optics)

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