Subject   : ふっ化物ファイバ

カテゴリー  : 光学 


 ふっ化物ファイバ
 ふっ化物ファイバは、ふっ化物ガラスを素材とした多成分ガラス光ファイバで、ZrF4を主成分とするZBLANファイバ(ZrF4-BaF2-LaF3-AlF3-NaF)やAlF3を主成分とするAlF3系ファイバ(AlF3-BaF2-SrF2-CaF2-MgF2-YF3)などがあります。材質の違いにより、通常の光ファイバ(石英ファイバ)とは、伝送できる光の波長帯、希土類元素をドープしたときの発光特性、機械的強度、耐水性など多くの点で異なります。 石英ファイバは1μm帯では非常に低損失ですが、2μm以上の波長では急激に損失が増大します。一方、AlF3系ファイバは3.5μm、ZBLANファイバは4μmの赤外域まで損失の増大がありません。この特徴を利用し、ふっ化物ファイバは近赤外や赤外分光用の光ガイドとして使用されています。 ふっ化物ファイバの問題点は製造が難しいことです。光ファイバの一般的製法であるCVD法が適用できないこと、熱的安定性が低く結晶化しやすいことなどが理由です。 AlF3系ファイバは、赤外透過波長域はZBLANファイバほど広くありませんが、3μmまでは十分損失が低く、レーザ損傷閾値、機械的強度、耐水・耐湿性などでZBLANファイバに優るため、歯科治療、医療機器によく使われる発振波長2.94μmのEr-YAGレーザ用ガイドに最適なファイバです。

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 ⇒ 波長可変レーザー

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