Subject   : OCT(Optical Coherence Tomography)

カテゴリー  : 光学 


 OCT(Optical Coherence Tomography)
 OCTは、光干渉断層計ともいい、低コヒーレンス光干渉をベースとする断層光イメージング技術であり、簡便な光学系で容易にミクロンオーダーの空間分解能をもつ断層イメージを得ることができる。OCT画像は,光を照射して得られたエコー情報を再構成して断層像を表示するもので,生体眼で非接触・非侵襲的に検査ができる.画像はグレースケール BW ないし擬似カラー false-color / pseudo-color にて表示され,光学顕微鏡組織切片に類似する.

 開発当初は低コヒーレント光源(SLDやASE光源などの広帯域光源)を使っていて、参照ミラーを動かしていました。最近の3次元画像解析装置のOCTは、干渉し易いレーザ光が使われています。当初からレーザ光を使えばいいじゃないかと思うかも知れませんが、OCTは低コヒーレント光源から出発しています。コヒーレント長が短い低コヒーレント光源を使ったところに特長があったのです。

 その後眼科での応用などがきっかけでOCTの改造が進んでいきます。そしてOCTの光源は、干渉に欠かせない波長可変レーザ光を使うようになりました、さらに解像度を上げるため波長可変レーザの帯域を広げる(可変波長範囲が広いほうが解像度(分解能)が上がる)などの開発が進みました。測定原理はよく知られたマイケルソン干渉光学系なのですが、光源に何を使ったかで進化してきました。また光ファイバで干渉系を構成しているのも特徴かもしれません。

OCTは主に眼球の奥の網膜や脈絡膜、血管・視神経の出入り口を観察することで網膜剥離、視神経疾患、糖尿病生網膜剥離などを診断する装置であるが最近では前眼房の断層像も注目を集めている。例えば緑内障は前眼部の虹彩を観察することで予診することができる。 さらに,次世代の眼底検査用OCTでは生活習慣病の早期発見・予防ができる可能性がある。眼底血管は外から直接見る事のできる唯一の血管である。眼底血管とその周辺組織の形態と代謝機能を細胞レベルで観察・計測することで脳梗塞、糖尿病、高血圧、動脈硬化を診断することができる。また、眼底の動脈からは採血による血液検査では得られない生体代謝情報が得られる可能性がある。

種類 メモ
TD-OCT Time domain OCT:参照ミラーを動かすタイプ
FD-OCT Fourier domain OCT:参照ミラーは固定、広帯域光源、検出光を分光器で周波数領域に変換
SS-OCT Swept Source OCT:参照ミラー固定波長可変レーザ
Full-field OCT


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 近年の研究における干渉光学系には、主にファイバーカプラが用いられる。低コヒーレンス光源からの光を2×2ファイバーカプラに入射し、参照光学系とサンプル側光学系に光を分波する。この干渉光学系における光の分岐比は、理論的にも実験的にも非対称な比率が用いられる。 参照光学系に入射した光は、主に反射体により反射された後、もとのファイバー系に再び結合する。 サンプル光学系に入射した光は、サンプル上スポットを2次元に掃引できるように構成された光学系を通してサンプルに照射される。この掃引操作は主にコンピュータ制御される。サンプル内部からの後方散乱光もしくは後方反射光は、再び入射してきたファイバー光学系に結合し、カプラ内で参照光学系から返ってきた光と干渉信号を生成する。干渉信号は、光検出器をつかって検出し、横方向を固定したサンプルの焦点延長線場の反射強度プロファイルを構成する。

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