Subject : 望遠鏡と光の波長
カテゴリー : 産業・技術 > 宇宙
望遠鏡と光の波長
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地上まで光の届かない波長帯では、主に天文衛星で観測が行なわれる。
種類 |
波長 |
メモ |
γ 線 |
<0.1Å |
γ 線天文衛星、チェレンコフ望遠鏡 |
硬 X 線 |
0.1Å〜6Å |
X 線天文衛星 |
軟 X 線 |
6Å〜100Å |
X 線天文衛星 |
紫外線 |
100Å〜3000Å |
紫外線天文衛星 |
可視光 |
3000Å〜1μm |
可視赤外望遠鏡 |
近赤外 |
1μm〜5μm |
可視赤外望遠鏡 |
中間赤外 |
5μm〜20μm |
可視赤外望遠鏡 |
遠赤外 |
20μm〜300μm |
赤外線天文衛星 |
サブミリ波 |
300μm〜1mm |
ミリ波サブミリ波望遠鏡 |
ミリ波 |
1mm〜1cm |
ミリ波望遠鏡 |
マイクロ波 |
1cm〜10cm |
電波望遠鏡 |
電波 |
>10cm |
電波望遠鏡 |
可視光で見る宇宙は、私たちが良く知っている姿です。すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡などによって撮影された、美しい写真を思い浮かべてみてください。
センチ波で見る宇宙は、荒々しい高エネルギーの世界を捉えます。超新星爆発やブラックホール、パルサーなど、強いエネルギーを出している天体を調べるのに適しています。
では、ミリ波やサブミリ波で見る宇宙とは、どんな姿なのでしょう。
宇宙に存在する物質は、それが星でも、星間ガスでも、太陽でも、必ず電波を出しています。この電波をとらえて、目には見えない性質を調べるのが電波天文学です。その中でも、ミリ波やサブミリ波では、低温、それも超低温の世界を観測できます。星と星との間に広がる何もないように見える宇宙空間は、摂氏マイナス270度という超低温ですが、ここにも物質が存在しています。オリオン座の馬頭星雲では、赤い光を背景に馬の頭部が漆黒のシルエットとして浮かび上りますが、この黒い部分にはガスが広がっています。これらは可視光の望遠鏡では捉えることが出来ませんが、ミリ波やサブミリ波の電波を出しているため、ミリ波やサブミリ波の望遠鏡ではその構造を詳しく観測することができます。
そもそも宇宙から届く電波や光は非常に弱い上に、ミリ波やサブミリ波といった比較的波長の短い電波は、大気中の水分や塵によって吸収されやすいため、受信機(電波望遠鏡の目にあたる部分)に高い性能が要求されます。特にサブミリ波は大気による吸収が激しく、標高の低い場所ではほとんど観測することができません。しかし、これらを解決できるアルマ望遠鏡によって、宇宙や生命の謎に迫ることが出来るのです。たとえば、"ビッグバン後はじめての銀河誕生の謎"、"惑星系誕生の謎"、そして、"生命の起源がどこから来たのかという謎"です。
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人工衛星(Artificial Satellite)
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