Subject : フラッシュメモリ (flash memory)
カテゴリー : 半導体
フラッシュメモリ (flash memory)
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フラッシュメモリ (flash memory) は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ。フラッシュEEPROMまたはフラッシュROMとも言う。
EEPROMの一種であるが、従来のEEPROMと違って1バイト単位の書き換えは出来ず、あらかじめブロック単位で消去してから書き込みを行う。
記憶セルを接続する構造によりNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリなどに分けられ、ともに舛岡富士雄が東芝在籍時に発明した。その後インテルの開発により、NOR型が先行して市場に広がった。NAND型は、高集積化に向いていて、書き込みが高速な利点があるが、1バイト単位の読み出しはできず、ランダムアクセスによる読み出しが低速である欠点を持つ。NOR型は、1バイト単位の読み出しが可能で、高速にアクセス出来る利点があるが、書き込みは低速で、且つメモリセルの構造上、高集積化がNAND型に比べて向いていない。どちらの型も、数キロバイトから数十キロバイトのブロック単位でしか消去・書き込みは出来ない。
NOR型は、マイコン応用機器のシステムメモリに適しており、従来から使用されていたROMを置き換える存在となった。ROMの交換で行われていたファームウェアの更新も、製品の筐体を開けることなく容易に行えるようになっている。NAND型は、データストレージ用に適しており、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤーなどの記憶媒体として広く普及しており、それによって価格も低下している。
フラッシュメモリの記憶素子は動作原理上絶縁体となる酸化膜を貫通する電子により劣化するため、消去・書き込み可能回数が限られており、数百回が限界である。NOR型よりもNAND型の方が劣化が激しい。 この記憶素子をそのまま記憶装置として使う場合、書き込みが特定ブロックに偏るため、未使用の記憶素子がある一方で特定の記憶素子だけが劣化によって寿命が尽きるという状況が発生してしまう。 現状の製品では、書き込みの偏り対策としてコントローラを搭載して消去・書き込みが特定ブロックに集中しないようにしているが、それでも数万回から数百万回が限度である。
このため、主記憶装置としての使用や、補助記憶装置としてであっても、データベースでの使用、動作履歴の保存先としての使用、バッファとしての使用などの書き換え頻度の高い用途もしくは信頼性を求める用途には適さない。
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