Subject : ReRAM
カテゴリー : 半導体
ReRAM
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電源を切ってもデータが消えない「不揮発メモリ」の一種。電圧を加えることで抵抗の値が変化する材料をデータ記録のための素子として用いるのが特徴。抵抗変化型メモリなどとも呼ばれる。微細化に適しており製造コスト低減も比較的容易、消費電力が低い、読み出し時間が10ナノ秒程度と比較的速いなどの長所を持つ。
消費電力、具体的には電流値が下げられること、高速に書き込めること、集積化に向くことが実証されつつあるからだ。産業技術総合研究所によれば、250μAで動作し、書き込み時間は50nsだったという。「これ以上短い時間を測定できる装置がないため、不確実だが、書き込み時の状態変化は実際にはnsオーダーだろう」。富士通研究所が、2006年に発表した値に
よると、スイッチング時間は3nsである。
ReRAMは、上部電極と下部電極の間に金属酸化物が挟み込まれた構造を採る。電圧を印加すると抵抗値が変化し、その後電圧の印加を止めても高抵抗状態と低抵抗状態の2つの安定状態のどちらかを維持する。抵抗値の変化によってメモリー素子として機能するという点ではPRAMと似ている。
動作モードは、正の電圧だけを印加するユニポーラ型と、正負の電圧を印加するバイポーラ型がある。素子当たり1つのトランジスタだけで動くユニポーラ型が集積度の点では有利だが、「2008年末の時点ではトランジスタが2つ必要なバイポーラ型の方が性能が高く、当初のチップはバイポーラ型になるだろう」)。産業技術総合研究所が開発した構造を採った場
合の動作モードは以下の通り。ある一定値よりも高い正電圧を印加すれば、高抵
抗状態から低抵抗状態に変化する。負電圧を印加することで逆方向の変化が起こ
る。正電圧として2.2V、負電圧として−1.4Vで動作した。
ReRAMの課題は2つある。まずは書き換え時に抵抗値が変化する原理を明らかにすることである。これは産業技術総合研究所やパナソニックによる従来のPt(白金)電極からTa(タンタル)電極による置き換えなどの結果により、次第に明らかになってきた。従来は上下の電極間にある酸化物層に何らかの電流導通路を設ける操作(フォーミング)が必要になり、これがReRAMの動作速度の上限を決めるとする意見があった。実際には「導通路の形成のために特別な動作は必要なく、いわゆるフォーミングに相当する動作はnsオーダーで終了する」(秋永氏)という。同氏はTa電極下部に自発形成されるTaO(酸化タンタル)を用いた新素子を試作している。
もう1点は信頼性である。素子単体の動作ではなく、NAND型フラッシュ・メモリーと同等に集積化した際、信頼性も同等でなければならない。だが、信頼性を評価する段階にも至っていない。
⇒
次世代不揮発メモリー
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