Subject   : 共鳴トンネルダイオード(RTD)

カテゴリー  : 半導体 


 共鳴トンネルダイオード(Resonant Tunneling Diode)
 共鳴トンネル素子とは、共鳴トンネル効果を用いた周波数特性が数THzの高性能素子。

 化合物半導体の中に、ごく薄い電子の通れない層を2つ作る(それぞれの厚さは数nm、原子層にして5から20層程度)と、その層の間では量子効果により電子が取り得るエネルギーは特定の不連続な値をとり、あるエネルギーをもった電子のみが層間を通り抜けることができる。

 これを利用した素子は、トンネルダイオードのように、ある電圧領域では電圧を加えるほどに電流量が減少する「負性抵抗」が存在する。この特異な電流-電圧特性と、その過程が高速である事、室温でも動作可能であることなどから注目を集め、盛んに研究されている。

量子井戸の両側の障壁層が十分に薄い構造(二重障壁構造)では、井戸中の電子はトンネルにより障壁の外側に抜けることができる。一方の障壁から電子が入射した場合、もとの量子井戸に形成されていた量子準位に対応してもう一方の障壁を透過していく確率が、入射電子のエネルギーにより共鳴的に増大する。この効果が共鳴トンネル効果であり、これをダイオードとして使えば負性抵抗素子が実現できる。
共鳴トンネルダイオードを用いた室温テラヘルツ発振器を東工大の浅田雅洋教授らが研究している。
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