Subject   : 彩層

カテゴリー  : 天文・宇宙 


 彩層
太陽のギラギラと光輝く部分を光球という。 その周囲を取り囲む薄いガスの層が彩層である。

彩層の光は、光球に比較して非常に弱い。 このため肉眼で彩層を見ることはできない。 彩層は赤い色をしているが、光球の光が強すぎるため通常は肉眼で見ることはできない。 皆既日食のときには、光球の光が月によってシャットアウトされるので、月のシルエットの周囲に彩層を確認することができる。

彩層の厚さは2000kmから3000km程度である。 光球を包み込んでいる非常に薄い透明の層が、彩層のイメージ。

彩層は非常に高温である。 このような高温のもとでは、水素原子は波長656.281nmの光を放つ。 この光はHα線ともいい、赤い色をしている。 彩層の赤い色は、このHα線の色なのだ。 Hα線のみを透過するフィルターを用いれば、日食時でなくても彩層を観測することができる。

光球表面から500kmの高さでの彩層の温度は4500Kである。 ここが彩層で最も低温な場所なのだ。 この層を彩層から独立させ、特に低温層とよぶ場合もある。 低温層より上側の彩層の上部では、温度が急激に上昇する。 光球表面から2000kmの高さでは、彩層の温度は20000Kに達するのだ。 この高熱の刺激を受けて、彩層中の水素がHα線を発する。 これが、彩層の赤い色なのだ。

この彩層の外側に広がるのがコロナだ。 彩層とコロナの間には、転移層という薄い層がある。 彩層は非常に活動的なエリアである。 フレアやプロミネンスは彩層で発生する。

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 ⇒ 太陽

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