Subject   : グルタミン酸(glutamic acid)

カテゴリー  : 話題のことば > アミノ酸


 グルタミン酸(glutamic acid)
グルタミン酸は、Gluで表される。グルタミン酸塩は、glutamate
α-アミノ基、α-カルボキシル基とγ-カルボキシル基を持つ。
タンパク質に含まれる最も多いアミノ酸であり、 とくに、小麦タンパク質のグルテンには約40% 含まれています。
遊離の形で生体の組織中にかなり多く含まれるが、 脳では10μmol /g にも及び、 抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸 ( GABA)の前躯体です。
グルタミン酸も一種の神経伝達物質として作用します。

γ-カルボキシル基のNa塩は旨味(味覚)があり、 化学調味料として広く使用されます。

■ グルタミン酸合成
 グルタミンは、グルタミン酸合成酵素(glutamate synthase)によって、α-ケトグルタル酸と反応し、2分子のグルタミン酸に変換される。  L-グルタミン(Gln)+α-ケトグルタル酸→2L-グルタミン酸(Glu)   この反応も、NADH2+が、消費される。  グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)は、糖原性アミノ酸であり、ミトコンドリア内で、m-AST(m-GOT)により、α-ケトグルタル酸(2-オキソグルタル酸)になり、TCA回路(クエン酸回路)に入る。

■ グルタミン酸脱水素酵素
 グルタミン酸は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(グルタミン酸脱水素酵素:glutamate dehydrogenase:GDH、または、GLDH)によって、アンモニアとα-ケトグルタル酸(2-オキソグルタル酸)から生成される。
 アンモニア(NH4+)+α-ケトグルタル酸⇔L-グルタミン酸(Glu)

 この反応は可逆的で、アンモニアとα-ケトグルタル酸から、グルタミン酸を生合成するのとは逆に、グルタミン酸を異化(nitrogen liberation)して、アンモニアとα-ケトグルタル酸とに分解する異化反応も、GDHにより起こなわれる。アンモニアは尿素回路で処理され、α-ケトグルタル酸は糖新生の経路で、利用される。しかし、平衡定数は、グルタミン酸の生合成する側に偏っている。
 GDH(グルタミン酸脱水素酵素)は、グルタミン酸を生合成する際には、NADP+を補酵素に使用し、グルタミン酸を異化する際には、NAD+を使用する(NADH2+が生成される)。
 植物や細菌では、GDHにより、グルコース(α-ケトグルタル酸)とアンモニアから、多量のアミノ酸の合成が可能。
 GDHの大部分は、肝臓のミトコンドリアのマトリックスに存在する。
 ⇒ グルタミン(Gln)

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