Subject   : トロンビン

カテゴリー  : 話題のことば > 健康維持


 トロンビン
トロンビン(α-トロンビン)は、血漿プロトロンビンが限定分解されることによって産生されるセリンプロテアーゼである。生理作用としては、フィブリノゲンを活性化してフィブリンを生成する血栓形成が極めて重要であるが、そのほかにも血小板や凝固V, VIII, XI, XIII因子の活性化、プロテインCの活性化、thrombin-activable fibrinolysis inhibitor(TAFI)の活性化などを行い、血液凝固・凝固阻止・線溶阻止など多彩な生理作用を示す。

トロンビンは、アンチトロンビンで阻害されると複合体(TAT)を形成し、血漿中を循環し代謝される。血漿中半減期は、プロトロンビンとして60時間、トロンビンはTATとして3〜12分である。先天性のプロトロンビンの欠損あるいは分子異常は、出血性素因を示す。またループスアンチコアグラント陽性症例で、抗プロトロンビン抗体による後天性低プロトロンビン血症を合併し、出血傾向をきたす場合がある。

■ アンチトロンビン(Antithrombin)
アンチトロンビンは、血液を凝固させるトロンビンなどの蛋白分解酵素を特異的に阻害する物質で、肝臓でつくられ血中に分泌され、ヘパリンに結合するたいへん重要な凝固制御因子です。 本因子の欠損は、家族性に発生する血栓症の原因となり、思春期以降に、外傷や手術、妊娠と云った 外的ストレスが加わった時、深部静脈などに血栓症が発症します。
アンチトロンビンは、凝固反応に関わるXaやトロンビンなどのセリンプロテアーゼと反応して、1対1の複合体を形成し、凝固反応を制御するたいへん重要な生理的セリンプロテアーゼインヒビターです。
ヘパリンは、アンチトロンビンに結合してアンチトロンビンの抗トロンビン活性を約1000倍も増強します。
アンチトロンビンが完全に欠損した個体は、致死的となって生まれてこない。アンチトロンビンの分子上、ヘパリン結合ドメインはN端に、トロンビンとの反応部位はC端にあるので、ヘテロ接合体の アンチトロンビン分子欠損症以外に、ヘパリン結合ドメインあるいはトロンビンとの反応部位 に 分子構造異常を示すアンチトロンビン分子異常症も報告されています。
アンチトロンビンの欠損ないし分子異常は、静脈血栓症の発症要因となります。 また、肝硬変では産生の低下により、DICでは消費により血中のアンチトロンビン値が減少します。

 ⇒ タンパク質の機能と変性

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