Subject   : グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)

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 グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)
 グルタチオンペルオキシダーゼは、セレン(Se)を活性中心に持つ。
 グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化水素を、グルタチオンの存在下で、水に代謝させ、酸化型グルタチオンを生成する:
 H2O2+2GSH→2H2O+GSSG 

 また、グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化脂質を還元する:
 LOOH+2GSH→LOH+GSSG+H2O

 なお、グルタチオンペルオキシダーゼは、ヒドロキシルラジカルを消去させるが、ビタミンB2(リボフラビン)を補酵素とするので、ビタミンB2の欠乏は、過酸化脂質の増量を来たす。

 細胞内のグルタチオン(GSH)の濃度は、5〜10mMと、高い。  細胞内の酸素分圧が上昇すると、ミトコンドリアの電子伝達系の電子の流れが活性化させ、cytochrome c oxidaseが、酸化状態にシフトする。その結果、[NAD]/{NADH]比([NADP]/{NADPH]比)や、GSSG/GSH比が、上昇する(NADH/NAD+比は、低下する)。
 Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)と、6-phosphogluconate dehydrogenase(6-PGD)により生成される12分子のNADPHを用いて、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)と、グルタチオン還元酵素(GSH reductase)により、12分子の過酸化水素(H2O2)が消去され、6分子の二酸化炭素(CO2)が、肺から排出される。

 ⇒ 抗酸化物質と酵素(カタラーゼ、SOD)

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