Subject : ペロブスカイト構造
カテゴリー : 産業・技術 > 材料技術
ペロブスカイト構造
-
理想的には、立方晶系の単位格子をもち、立方晶の各頂点に金属Rが、体心に金属Mが、そして金属Mを中心として、酸素Oは立方晶の各面心に配置している。酸素と金属Mから成る MO6 八面体の向きは、金属Rとの相互作用により容易に歪み、これにより、より対称性の低い斜方晶や正方晶に相転移する。
これにより、この結晶の物性が劇的に変化する。例えば、対称性の低下により、モット転移を起こし、金属Mのサイトに局在していた価電子がバンドとして広がることができるようになったり、金属Mのサイト同士のスピン間の相互作用による反強磁性秩序が崩れ、常磁性に転移したりする。この歪みによる相転移は、温度の上昇による金属Rのイオン半径の増加や、金属Rサイトに不純物原子を導入することなどでコントロールすることができる。
- ○ 酸化物高温超伝導体
-
YBa2Cu3O7-δ や Bi2Sr2Ca2Cu3O10 といった酸化物高温超伝導体は全て、ペロブスカイト構造を基礎とした結晶構造をしている。
- ○ ペロブスカイト太陽電池
-
2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力の研究室によってハロゲン化鉛系ペロブスカイトを利用した太陽電池が開発された。 エネルギー変換効率は2009年当時のCH3NH3PbI3を用いた3.9%から2016年には最大21.0%に達するという著しい性能向上を示し、次世代の太陽電池として期待される。
色素増感太陽電池の一種でペロブスカイト型では、従来の色素の代わりにペロブスカイト材料を用い、正孔(ホール)輸送(HTL)材料としてのヨウ素溶液の代わりに、Spiro-OMeTADなどを使用する。
⇒
圧電効果と圧電体
⇒
非鉛系圧電材料(lead‐free piezoelectric materials)
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]